ハイブランドや国内人気ブランドが展開するウィメンズバッグから、コーディネートに映えるかごバッグを特集。

大人カジュアルな麦わら素材やラフィアを用いた軽やかなバッグも紹介していく。かごバッグは、それだけで上品かつ大人可愛いスタイルが叶う優れもの。また、ラフィアやラタン素材は、レザーのバッグと異なり、ハイブランドでも比較的価格帯が控えめなものが多いのも嬉しいポイントだ。

大人上品に持てる2025年夏のかごバッグ
人気ハイブランドのトートバッグ
人気ハイブランドのかごバッグ
人気ハイブランドの夏素材アイコンバッグ
人気ハイブランドのトートバッグ
【ロエベ】花柄刺繍のラフィアバッグ
ロエベフォント トート 248,600円
ロエベフォント トート 248,600円、(中のポーチ) ドローストリング ポーチ スモール 46,200円
ロエベ(LOEWE)の夏を彩る「パウラズイビザ」コレクションから、庭園を思わせる花々の刺繍をあしらった、ラフィア素材の「ロエベフォント トート」が登場。また、今季はそのほかざっくりとしたフォルムの「パズルトート」にもラフィア素材の爽やかな新作が揃っている。

■ロエベ 2025年夏の新作レディースバッグ
発売日:2025年4月17日(木)

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【クロエ】バナナチャーム付きラフィアトートバッグ
ラフィア製 サマー バナナ トートバッグ 173,800円
ラフィア製 サマー バナナ トートバッグ 173,800円
クロエ(Chloé)から、手編みで仕上げたポップなカラーのラフィアトートバッグが登場。立体的な手書きシグネチャーを配し、ゴールドのバナナチャームをセットしている。

■クロエ 2025年夏の新作レディースバッグ
発売時期:2025年3月中旬

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ルイ・ヴィトンスーパーコピー】大容量のかごバッグ
リヴァージュ GM 321,200円
リヴァージュ GM 321,200円
ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)からは、ビーチなど夏のレジャーシーンにぴったりの大容量が嬉しいトートバッグ「リヴァージュ GM」をおすすめ。ラフィア素材の軽やかなボディに、上品なモノグラム・パターンのパーツがポイントだ。

■ルイ・ヴィトン 2025年夏の新作レディースバッグ
発売日:2025年5月~

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【グッチ】ビスコース×レザーの上品カゴバッグ
ウーヴン ミニ バケットバッグ 357,500円
ウーヴン ミニ バケットバッグ 357,500円
グッチ(GUCCI)からは、ミニサイズのバケッドバッグ「ウーヴン ミニ バケットバッグ」をおすすめ。ナチュラルな質感のヴィスコース素材にスムースレザーを組み合わせ、ダブルGのレザーパッチとロープ風のハンドルでリゾート感とアーバン感を両立させた。カジュアルに持てるのに大人上品な印象。

■グッチ 2025年夏の新作レディースバッグ
発売日:2025年5月~

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【ボッテガ・ヴェネタ】ラフィアの「カバ」トート
ボッテガ・ヴェネタのアイコンバッグ「カバ」編み込みラフィアの夏仕様
ラージ カバ 1,644,500円
ボッテガ・ヴェネタ(BOTTEGA VENETA)のトートバッグ「カバ」が、ラフィア素材で登場。85m以上のラフィアを使用し、イントレチャートのように職人の手によって編み込んでいる。

■ボッテガ・ヴェネタ 2025年夏の新作レディースバッグ
発売時期:2025年7月

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【ジミー チュウ】カラフルラフィアの大きめロゴトートバッグ
ビーチ ダイヤモンド HOBO 156,200円
ビーチ ダイヤモンド HOBO 156,200円
ジミー チュウ(JIMMY CHOO)のビーチトートバッグは、爽やかで軽いラフィア素材をカラフルに編み上げた。フロントにはシグネチャーロゴ刺繍をオン。持っているだけでおしゃれ度がアップするバッグだ。ざっくりモノが入る大きめのサイズ感もグッド。

■ジミー チュウ 2025年夏の新作レディースバッグ
発売時期:2025年3月26日(水)

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人気ハイブランドのかごバッグ
【ロエベ】アレンジを楽しむシンプルかごバッグ
<ウィメンズ>パンチホール バスケット スモール 240,900円
サイズ:幅38x高さ22.5xマチ16cm
<ウィメンズ>パンチホール バスケット スモール 240,900円
サイズ:幅38x高さ22.5xマチ16cm
ロエベの「パンチホール バスケット」は、クラシックなラフィアのバスケットにレザーベルトハンドルを備えたかごバッグ。一見シンプルな見た目だが、長めに設定されたベルトと多数のベルト穴によって、ストラップの長さ調節が自由自在だ。また、穴部分にチャームを取り付けてアレンジもできる。

■ロエベ 2025年夏の新作レディースバッグ
発売日: 2025年4月17日(木)

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【バレンシアガ】ラフィアの「ル・シティ」バッグ
「ル・シティ M バスケット」(キャメル) 163,900円
横34.5×縦35.0×幅14.0cm
※予定価格
「ル・シティ M バスケット」(キャメル) 163,900円
横34.5×縦35.0×幅14.0cm
※予定価格
バレンシアガ(BALENCIAGA)のアイコンバッグ「ル・シティ」にバスケット型の新作が登場。ラフィア素材で仕上げたボディに、絶妙なシボ感のアリーナラムスキンをあわせた。カジュアルにも大人上品にも持てるバッグだ。

■バレンシアガ 2025年夏の新作レディースバッグ
発売日:2025年4月17日(木)

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【マルニ】ボーダー柄「トランカルー」かごバッグ
【マルニ】ボーダー柄「トランカルー」かごバッグ
「トランカルー」スモールビーチバッグ ナチュラル/レイン 129,800円
〈阪急うめだ本店 先行発売〉
マルニ(MARNI)から、ボーダー柄の「トランカルー」ビーチバッグが登場。光沢を備えた軽やかな素材感で、「トランカルー」のアイコニックなスタッズ付きクロージャーをレザーで表現した。カジュアルだけどほどよく上品さがあり、肩ひもが長めに設定されているので肩掛けしやすい。

■マルニ 2025年夏の新作レディースバッグ
発売時期:2025年4月上旬~

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【トッズ】ビタミンカラーのかぎ針編みバッグ
【トッズ】ビタミンカラーのかぎ針編みバッグ
バッグ 185,900円 ※イエローは日本限定色
トッズ(TOD’S)からは、カーフレザーを使用し丁寧にかぎ針編みした、ビタミンカラーのロゴ入りバッグがお目見え。バスケット型の使いやすいデザインは、リゾートでも普段着でもマッチする。ポップなカラーでも上品に持てるのが嬉しい。

■トッズ 2025年夏の新作レディースバッグ
発売時期:2025年4月~

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【ドルチェ&ガッバーナ】フラップ巻き込むラフィアバッグ
バッグ「カプリ」224,400円
バッグ「カプリ」224,400円
ドルチェ&ガッバーナ(DOLCE&GABBANA)の「カプリ」は、フラップを巻き込むようにしてたたむ、イタリアの伝統菓子“カンノーロ”をおもわせるシルエットのかごバッグ。ショルダーストラップも兼ねたやや長めのレザーハンドルで持ちやすく、使いやすい。

■ドルチェ&ガッバーナ 2025年夏の新作レディースバッグ
発売日: 2025年5月上旬~

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【トム フォード】T金具付きトートバッグ
タラ ミディアム トート 495,000円(23×26×13cm)
タラ ミディアム トート 495,000円(23×26×13cm)
トム フォード(TOM FORD)の「タラ(TARA)」は、“T”を模ったメタルクロージャーが特徴の大容量トートバッグ。今季は、そんな「タラ」を涼やかなラフィア素材でアップデートした。上品なブラックラフィアにゴールドのメタルクロージャーが映える。

■トム フォード 2025年夏の新作レディースバッグ
発売日: 2025年4月上旬~

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【マックスマーラ】ボーダー柄のシングルハンドバッグ
ズィンニア サイザル スモール バッグ 82,500円
ズィンニア サイザル スモール バッグ 82,500円
マックスマーラ(Max Mara)が夏に贈るのは、ボーダー模様のシングルハンドバッグ。涼やかなサイザル麻製のボディに、レザーのハンドルを合わせた上品カジュアルなデザインだ。

■マックスマーラ 2025年夏の新作レディースバッグ
発売時期:2025年4月~

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人気ハイブランドの夏素材アイコンバッグ
【ルイ・ヴィトン】ラタン素材の「カプシーヌ」バッグ
「カプシーヌ ミニ」 946,000円
サイズ:幅14×高さ21×マチ8cm
「カプシーヌ ミニ」 946,000円
サイズ:幅14×高さ21×マチ8cm
ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)のアイコンバッグ「カプシーヌ」が、天然素材“ラタン”を手作業で編み込んだ夏らしいデザインに。爽やかなボディには、上質なカウハイドレザーのハンドルとフラップをあわせた。ストラップが付属するので肩掛けでも楽しめる。

■ルイ・ヴィトン2025年夏の新作レディースバッグ
発売時期:2025年4月~

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【マイケル・コース】折りたためる「ジョルディー」トートバッグ
「ジョルディー」ハンドクロシェ ストロー&レザー トート スモール 全3色 各48,400円
「ジョルディー」ハンドクロシェ ストロー&レザー トート スモール 全3色 各48,400円
マイケル・コース(MICHAEL KORS)の「ジョルディー」は、折りたたみラインに沿って、マチを引き出したり収納したりすることでシルエットを変えられるトートバッグ。新作では、ナチュラルカラーのストロー素材を手編みした。

■マイケル・コース 2025年夏の新作レディースバッグ
発馬次期:2025年4月上旬~

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【フェンディ】人気バッグがナチュラル素材の夏仕様に
「ピーカブー ソフト ラージ」バッグ 847,000円
幅40.5×高さ28×奥行き28cm
「ピーカブー ソフト ラージ」バッグ 847,000円
幅40.5×高さ28×奥行き28cm
フェンディ(FENDI)のアイコンバッグ「ピーカブー」と「バゲット」バッグが、軽やかなビスコース素材に。かぎ針編みによる水滴のような立体的模様が特徴的で、本来のバッグがもつ大人上品な雰囲気に、手仕事の温かみをプラスした。

■フェンディ 2025年夏の新作レディースバッグ
発売日:2025年4月上旬~

ゼニス最新鋭のクロノグラフがカラフルに彩られる。

18Kホワイトゴールドの無垢ケースと4カラットを超えるサファイアを贅沢に使用したこの新作は、既存のハイビートクロノグラフ、“クロノマスター スポーツ”シリーズにさらなる華やかさを添えている。

クロノマスター スポーツシリーズは2021年のデビュー以来、ゼニスでもっとも人気のあるモデルとして確固たる地位を築いてきた。ハイビート仕様のエル・プリメロ 3600 コラムホイール式クロノグラフムーブメントを搭載し、10分の1秒単位の計測精度(ベゼルで読み取れる)を誇ることで知られている。これまでのモデルは、ブラックまたはホワイトのダイヤルやセラミック製ベゼルといったモノクロームな外観が主流だったが、最新作ではより華やかな方向性を打ち出している。

レインボーは、代表的なクロノマスター スポーツのデザインの特徴をすべて受け継いでいる。直径41mmのケース、3・6・9のトリコロールが重なるインダイヤル(スモールセコンド、中央の10分の1秒を計測するクロノグラフ秒針、最大60分計測可能な積算計)、秒針のスターカウンターウェイト、12時位置のスターロゴなどだ。また“レインボー”ウォッチ(時計業界でレインボーとは一般的に宝石がセットされた時計を意味する)を標榜するだけあって、ベゼルには50個のバゲットカットサファイアが並び、色とりどりの輝きで万華鏡のような美しさを見せている。さらに10秒ごとにバゲットカットダイヤモンドが配置され、デザインに華やかさを加えている。

この色彩豊かなデザインに引かれる人も多いだろうが、それだけに見合った価格が設定されている。このレインボー クロノマスター スポーツの価格は1540万円(税込)だ。

我々の考え
ゼニスは2024年、ローズゴールドのクロノメーター スポーツにメテオライトダイヤルと宝石をあしらったベゼルを搭載したモデルを発表した(ジェームズ・ステイシーによる今作の伏線と思えるようなおもしろい記事はこちらから)。正直、私は驚かされた。静かでモノクロームで、歴史的にみても偉大で輝かしい存在である、良心的な価格のブランドにしては実に大胆な動きであるからだ。一点物としてなら例外的と言えるかもしれないが、レインボーとなるとこれは注目を集めるための全力投球のようだ(そして、インターネットでの注目度を確実に上げるルートでもある)。

今回のリリースは、レインボー競争に参加するには遅すぎるかもしれない。しかし注目を集めるための競争が永遠に続くように感じられる時計業界で、ポートフォリオを多様化しようとするゼニスを責めることはできないだろう。特にロレックス デイトナに対するゼニスの回答としてクロノマスター スポーツが位置づけられることを考えればなおさらだ。また、今作はゼニス初のレインボーではなく、2024年にはレインボーのデファイ スカイライン スケルトン ビンディ ブティック限定モデルを発表している。おそらくゼニスは今後数年間、宝石がセットされたラインナップの進化を続けるだろう。

現代のレインボーウォッチの系譜がロレックスから始まったことは否定できない。しかしそれはロレックスの専売特許ではない。宝石セットのトレンドが高級ブランドから支持され続け、裕福なセレブリティの消費者が欲しがる一方で、時計界のネット市民たちは、(工場出荷時にセットされたのであろうとなかろうと)ド派手に飾り立てられた時計を毛嫌いし続けている。レインボーフィーバーが今後も続くかどうか興味が尽きない。

基本情報
ブランド: ゼニス(Zenith)
モデル名: クロノマスター スポーツ レインボー(Chronomaster Sport Rainbow)
リファレンス: 45.3104.3600/21.M3100

直径: 41mm
ケース素材: 18Kホワイトゴールド、レインボーバゲットサファイア
文字盤: ブラック
インデックス: レインボーサファイア
夜光: スーパールミノバ SLN C1
防水性能: 100m
ストラップ/ブレスレット: 同素材のメタルブレスレット

ムーブメント情報
キャリバー: エル・プリメロ 3600 自動巻き
機能: 時・分表示、センターセコンド(10分の1秒クロノグラフ)、スモールセコンド(9時位置)、60 分積算計(6時位置)、60秒積算計(3時位置)
パワーリザーブ: 約60時間
巻き上げ方式: 自動巻き
振動数: 3万6000振動/時
追加情報: ベゼルに10分の1秒表示、コラムホイール式クロノグラフ、4時半位置にデイト表示

グランドセイコーは本年最初のリリースのひとつとして、新作SLGH027を発表した。

これは、40mm × 11.7mmのエバーブリリアントスチール製ケースにブレスレットを組み合わせたモデルで、ブランドの約80時間パワーリザーブを誇る9SA5ハイビートムーブメントを搭載している。この時計にはグランドセイコー デュアルインパルス脱進機が採用されており、スイスレバー脱進機ではない量産型脱進機としては、コーアクシャル脱進機に次ぐ2例目となる。しかしながら、この時計の真の魅力は、いかにもグランドセイコーらしいダイヤルにある。

グランドセイコーはこれまで幾度となく(少なくとも2006年以降)、機械式時計のデザインにおいて、日本の活火山のひとつである岩手山からインスピレーションを得てきた。今回も例に漏れず、火山の稜線や、空から見た山の姿など空気と水が織りなす情景をモチーフとしている。

ケースはエボリューション9スタイルに属し、ザラツ研磨による美しい仕上げが施されているほか、視認性を高めるために力強い溝入りの時・分針とインデックスを備えている。時計にはエバーブリリアントスチール製のブレスレットを組み合わせており、この素材は高い耐食性を持つ。さらに精巧に磨き上げられたヘアライン加工がダイヤルの明るい色調と絶妙に調和している。

同ムーブメントはツインバレル式で、約80時間のパワーリザーブを実現している。ただしこの時計を手に入れたいなら、80時間以上は待つことになりそうだ。発売は5月を予定しており、1200本限定(うち国内700本)だ。価格は146万3000円(税込)となっている。

我々の考え
冬の情景を思わせるダイヤルトーンと、ハイポリッシュされたケースやブレスレットとのコントラストが新作の魅力なのだろう。ただ個人的には、ダイヤル中央から放射状に広がるこの稜線模様に強く引きつけられる。過去のモデルを思い起こさせるこのデザインは、サンバーストのように力強く広がり、荒々しさと精巧な磨き上げが融合し、両者の美点を兼ね備えている。

少し高い価格だと感じられるなら、それはこの時計が約80時間パワーリザーブを備えたハイビート自動巻きムーブメントを搭載しているからだ。これはグランドセイコーの機械式ハイビートムーブメントでも最高峰に位置する。確かに近年はどのブランドも価格がじわじわと上昇している。

とはいえSLGH019(ブライトチタン製)も同価格で、さらにSLGH009(エバーブリリアントスチール製、550本限定)も同じ価格設定だったことを考えると、グランドセイコーとしては妥当な価格と言えるだろう。

SLGH027
基本情報
ブランド: グランドセイコー(Grand Seiko)
モデル名: エボリューション9コレクション(Evolution 9 Collection)
型番: SLGH027

直径: 40mm
厚さ: 11.7mm
ケース素材: エバーブリリアントスチール
文字盤: 放射状パターンのライトブルー
インデックス: アプライド
夜光: なし
防水性能: 100m
ストラップ/ブレスレット: エバーブリリアントスチールブレスレット、ワンプッシュ式3つ折れクラスプ(クラスプの一部に18Kローズゴールドとチタンを使用)

SLGH027
ムーブメント情報
キャリバー: 9SA5
機能: 時・分表示、センターセコンド、日付表示
パワーリザーブ: 約80時間
巻き上げ方式: 自動巻き
振動数: 3万6000振動/時
石数: 47石
クロノメーター: なし(日差+5〜-3秒)
追加情報: スクリューバック(シースルー)

価格 & 発売時期
価格: 146万3000円(税込)
発売時期: 2025年5月10日発売予定
限定: あり、世界限定1200本(うち国内700本)

H.モーザー パイオニア・トゥールビヨン バーガンディが登場

日常使いに適したトゥールビヨンを展開するブランドは決して多くないが、そのなかでもH.モーザーはそうしたモデルを継続的に発表し続けている。今回、モーザーは最も実用的なトゥールビヨンモデルである40mm径のパイオニア・トゥールビヨン バーガンディをアップデートした。

このモデルの見どころは、何といってもバーガンディのフュメダイヤルだ。サンバースト仕上げが施されたダイヤルは、ベゼルに向かってブラックへとグラデーションを描く。ダイヤル外周にはレッドゴールド製のアプライドインデックスが配され、視認性を確保するために見返しにはスーパールミノヴァ®を用いた時刻表示が施されている。そしてもちろん、モーザーのクラシックなデザインを象徴するリーフ針も健在で、こちらにもスーパールミノヴァ®が塗布されている。トゥールビヨンの開口部は非常に目を引くもので、このモデルの主役として位置づけられている。その存在感を際立たせるため、ブランドロゴは極めて控えめな表現として光が当たったときにのみ見える透明ラッカー仕上げが施された。

パイオニアのケースはそもそも比較的コンパクトだが、短めのラグもあって手首の上での収まりは良好だ。このモデルは5N レッドゴールド製ケースにバーガンディダイヤルを合わせた仕様であり、蛇のモチーフは見当たらないが旧正月を意識したカラーリングであることは間違いないだろう。ドーム型のサファイアクリスタルを備えたケースの厚さは12mmだが、ブランドによるとケース自体の厚さは10.4mmに抑えられているという。以前ステンレススティール製でブルーのパイオニア・トゥールビヨンを試したことがあるが、細めの手首にもよくフィットするつけ心地だった。サイン入りのねじ込み式リューズを採用し、12気圧の防水性能を実現しているため、トゥールビヨンを装着したまま泳ぐことだって可能だ。週末の楽しみ方によって、この時計を選ぶのも悪くないだろう。

ダイヤルの開口部からは、改良されたCal.HMC 805の大型トゥールビヨンケージが見える。旧モデルのスティール製トゥールビヨンに搭載されていたCal.HMC 804と大きく異なるわけではないが、近年行われた3針ムーブメントのアップデートと視覚的に統一されたデザインとなった。ムーブメントの構造もより興味深いものになっており、ブリッジの多くがスケルトナイズされ、よりコントラストの効いたアンスラサイト仕上げが施されている。そしてもちろん、モーザーの象徴ともいえるダブルヘアスプリングがトゥールビヨンとともに存分に鑑賞できる仕様となっている。

興味深いことに、この時計にはカーキグリーンのラバーストラップが組み合わされている。防水性能を備えたトゥールビヨンにラバーは理にかなっているが、カーキグリーンという選択には少し驚かされた。ただ誤解しないでほしい。意外にもよくマッチしており、赤を強調しすぎるよりもバランスが取れていると思う。しかし、この配色がオーナーのカスタマイズではなく、ブランドの意図として取り付けられている点には少なからず意外性を感じた。

H.モーザー パイオニア・トゥールビヨン バーガンディの価格は1071万4000円(税込)で、すでに販売中だ。

我々の考え
この時計は非常に魅力的であり、トゥールビヨンを検討しているなら同カテゴリのなかでも優れた価値を持つ1本と言えるだろう。モーザーに対する個人的な印象だが、同ブランドの時計はコレクター向けという側面が強い。実際にモーザーのオーナーたちは、すでに多数の時計を所有しているという人が多い。このモデルも、まさにそうした層にとって興味深い選択肢となるはずだ。

同時に、高級時計の複雑機構を備えながら、あらゆるシーンで着用できる1本を求める人にとっても有力な選択肢となるだろう。モーザーの時計は目立つことを避けたい人にとっても適したものとなっているが、それでも腕元にソリッドゴールドの塊を乗せている以上、その点では限界があるかもしれない。

また、キャリバーを新世代のデザイン言語へと少しずつアップデートしている点も好感が持てる。過去のモデルも同様の仕上げに刷新されるのか、それとも新たなカラーバリエーションが登場して順次入れ替わっていくのかは気になるところだ。生産の観点から見れば、キャリバーの仕上げを統一する方が合理的だろう。いずれにせよこの時計を実際に手に取るのは楽しみであると共に、これを身につけてそのまま海へ飛び込むという豪快なオーナーに会うのも待ち遠しい。

基本情報
ブランド: H.モーザー(H. Moser & Cie.)
モデル名: パイオニア・トゥールビヨン バーガンディ(Pioneer Tourbillon Burgundy)
型番: 3805-0400

直径: 40mm
厚さ: 12.0mm
ケース素材: 5N レッドゴールド
文字盤色: バーガンディ
インデックス: アプライド
夜光: あり
防水性能: 12気圧
ストラップ/ブレスレット: カーキのラバーストラップと5Nレッドゴールド製クラスプ

伝統ある時計メーカーの歩みと未来。

マサチューセッツ州チェルシーにある三角の形をした小さな工場、チェルシークロック。100年以上にわたり、大統領、海軍、数え切れないほどの著名人、そしてクラシックなアメリカ時計を求めるすべての人々のために時計を手作りしてきたこの工場は、苦難の時代を乗り越えてきた街のランドマークであり、これまで会社を支えてきた。しかし、次の100年に向けた準備として、チェルシークロックはまもなく現在の場所を離れ、より近代的な施設へと移転する予定だと、J・K・ニコラス(JK Nicholas)最高経営責任者は語る。今回は、アメリカの時計づくりのランドマークである、この建物のなかをご案内しよう。

「この建物には、何ともいえない味わいがある」と、ニコラス氏は現在の工場について語る。「でも、本当に実用的ではないこともわかります」

 実際、そのとおりだった。

 建物は古くて窮屈だ。そして21世紀の競争を勝ち抜くには、製造工程を可能な限り改善することが現実的な選択肢となる。しかし、ニコラス氏は遠くへ移転するわけではないと語る。チェルシーはこれからもチェルシーにあり続ける。

 引っ越しの準備が始まる前に我々は工場のなかを見学し、チェルシークロックが何世代にもわたって真摯な手仕事へのこだわりを貫きながら、どのようにして生き残ってきたのかを確かめたかった。

チェルシークロックの数々。

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 クラシックなチェルシークロックはもともと船のブリッジや操舵室での使用を想定して設計された、真鍮製の船鐘と気圧計をセットにしたものだ。チェルシーを象徴するこれらのアイコニックな製品が、この会社を100年以上支えてきた。船の当直(英語で“watch”と呼ばれる)は、伝統的に4時間交代で行われる。チェルシーの船鐘は、船員に当直の交代を知らせるために設計されている。時計は30分ごとに1回鳴り、以降30分ごとに音が追加され、4時間経過すると合計8回の音で当直の終了を知らせる。このサイクルが、次の当直でも繰り返される。

ティファニー向けのチェルシークロック

ハーバード大学やオーガスタ・ナショナル・ゴルフクラブ向けの文字盤が準備完了。

 一方でチェルシーは、自社で組み立てた最新の手ごろなクォーツウォッチ、海軍艦艇向けに特別に製作された時計、退役した海軍用時計の修復品、そしてもちろん船鐘のさまざまなバリエーションまで、幅広い製品を展開している。

 また個人や企業向けに特注時計の製作も行っている。訪問時には、職人たちがハーバード大学、ティファニー、オーガスタ・ナショナル・ゴルフクラブなど多様な特注製品の製作に取り組んでいた。

製造途中のイタリア製真鍮ケース。

イタリア製真鍮時計ケースを磨く作業。

 チェルシーの時計と気圧計は、鍛造された真鍮でつくられている。イタリア製の重厚な金属(6フィートモデルでは7ポンドの重量)と革張りのハンマーがチェルシー特有のクラシックな鐘の音色を生み出している。時計はすべて自社で製造されており、その工程は1900年に特許を取得して以来ほとんど変わっていない。

文字盤のシルバー加工。

シルバー加工済みの文字盤1枚と、未加工の真鍮製文字盤3枚が並ぶ。

 時計の製造はチェルシー工場の地下室から始まる。高品質のイタリア製真鍮が旋盤にかけられケースへと加工される。そのあと職人がケースを手作業で磨き込み、完璧な仕上げを施す。真鍮の文字盤には数字が刻まれ、手作業で銀溶液が塗布される。この銀溶液には意外にも酒石酸クリームが含まれている。この工程が文字盤の特徴的な銀色を生み出しているのだ。

船鐘のムーブメント用の真鍮部品をフライス加工する作業。

 同じ地下室では、職人たちがガシャンと音を立て、油を滴らせながら動く古い機械を使い、365個の部品からなるムーブメントの小さなホイール、ギア、スピンドルをひとつひとつ製造している。そのなかには宝石を使用したエスケープメントも含まれる。こうして地下室でつくられた部品は、小型の運搬用エレベーターで上階に運ばれ、そこで職人の手によって組み立てられる。

時計のムーブメントを調整する上級時計職人ジャン・ヨー(Jean Yeo)氏。

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 上級時計職人のジャン・ヨー氏は52年間チェルシーで働き、ムーブメントの組み立てをはじめとしたほぼすべての時計の文字盤加工や打刻を担当してきた。訪問時、彼女は後継者を育成している最中だった。印象に残った注文について尋ねると、彼女はボストンの熱心なスポーツファンらしくボストン・ブルーインズの伝説的選手ケン・ホッジ(Ken Hodge)の名前を挙げた。さらにジョー・ケネディ(Joe Kennedy)に会えたこともうれしかったと付け加えた。さらにエルビス・プレスリー(Elvis Presley)が注文した6インチ(約15cm)の船鐘時計60個も、特に印象に残っていると語った。

ケーシング直前のムーブメント。

 チェルシークロックは、アメリカの政治史にも特別な足跡を残している。これは歴代の大統領が執務室で長年使用してきたのだ。下の写真では、ハリー・S・トルーマン(Harry S Truman)大統領が閣僚とともに宣誓を行っており、その背後のマントルピースにチェルシークロックが置かれている。

チェルシークロックを背に、宣誓を行うハリー・トルーマン大統領と閣僚。

 チェルシーが今直面している大きな課題は若い世代のコレクターの関心を引くことだ。チェルシークロックに熱心なコレクターの多くは、いわゆる“グレイテスト・ジェネレーション”と呼ばれる世代で、ヨットマンや戦時中に従軍した海軍関係者などが多い。チェルシーは高品質なアメリカ製品への関心が再び高まるなかで、新しい世代のコレクターがチェルシークロックに魅力を感じることを期待している。

「チェルシークロックには宝飾品のような付加価値はありません」とニコラス氏は語る。「実際のところ、それは家庭用インテリアです。しかしニッチな愛好家にとっては、機械仕掛けの芸術品でもあるのです」

アメリカ政府の24時間時計。

 ニッチなコレクター層を超え、より幅広い人々にアピールすることがニコラス氏のチェルシーに対するビジョンの核心だ。彼は約7年前にこの会社を引き継いだ。彼によればその計画は新しいデザインを取り入れられるよう、チェルシーの立ち位置を見直すことだった。つまり工場に新たな活力をもたらし、グローバルな材料調達やエンジニアリングへの再投資といった21世紀型の製造プロセスを導入することだった。さらに、ニコラス氏は修理・整備事業の拡大にも取り組んできた。

「準備が整わないうちに、デザインを取り入れることは避けたかったのです」とニコラス氏は。「もう1度、開発とものづくりができる体制をしっかりと整えたかったのです」。しかし基盤が固まった今、ニコラス氏は“デザインを再び、新製品の原動力にするにはどうすればよいか?”と問いかけている。

 チェルシーの移転計画はその問いに対するひとつの答えだ。しかしこの変化があったとしても、チェルシーが“高品質な手づくりによる機械式時計製造”に対するこだわりを捨てることはない。それこそがチェルシーの根幹であり、だからこそこのブランドは100年ものあいだ存続してきた。そしてその姿勢こそが、これからの100年もチェルシーを支え続けることになるとニコラス氏は語る。