ブルガリ アルミニウム GMT フェンダー® 限定モデルの新作情報です。

レギュラーコレクションでは担うことのできない、この時計だからこそといえる魅力を、この限定モデルのディテールは醸し出している。

ブルガリが世界的楽器メーカーであるフェンダーとコラボレーションしたブルガリ アルミニウム GMT フェンダー® 限定モデルを発表した。本作はフェンダーを象徴するギター、ストラトキャスターの誕生70周年を記念し、ブルガリのアルミニウム GMTをベースに作られたスペシャルピースだ。

ブルガリ アルミニウム GMT フェンダー® 限定モデルは、70年前の1956年に誕生したストラトキャスターをオマージュし、このアイコニックな楽器にインスパイアされたディテールやオリジナルカラーを採用している。印象的なフェンダーのシグネチャーであるラッカーフィニッシュにちなんだブラウンクリームのグラデーションダイヤルに始まり、ダークブラウンのラバーベゼル、ギターにも採用されているダークブラウン&クリーミーホワイトカラーを取り入れたセカンドタイムゾーン表示(上半分の18時から6時までがダークブラウン、下半分の6時から18時がクリーミーホワイト)、そしてギターのフレット(ギターネックの上に設けられている金属製の横線パーツ)をイメージしたロジウムメッキの鏡面インデックスと針など、ストラトキャスターをほうふつとさせるディテールを随所に宿す。

本作は単独可動のGMT針による“コーラー”タイプGMT。ベゼルは固定式で、リューズによりGMT針を動かして2タイムゾーン表示をさせるシンプルな機能だが、それゆえ操作も簡単で扱いやすい。

DLCコーティングを施したチタン製ケースバックには“Fender®”の文字があしらわれている。そして一見レギュラーコレクションと同じように見えるアルミニウムリンクを持つラバー製ブレスレットは、ピンバックルではなく最適なフィット感が得られるベルクロストラップを採用している。一方、ケース内部にはレギュラーコレクションと同様、固定式の24時間スケールと単独可動のGMT針による2タイムゾーン表示、いわゆる“コーラー”タイプのGMT表示機能を備えたCal.B192を搭載する。

なお、本作は世界1200本限定だが、時計本体に加えてアイコニックなギターケースにインスパイアされた特注ウォッチケース、さらにストラトキャスターの70年の歴史をたどる冊子がセットになった140個の限定パッケージ版はブルガリの公式サイトにて8月30日(金)から先行販売を開始した。こちらはすでに販売終了となっているが、冊子のつかない通常版(商品、スペシャルボックスに関してはEC先行分と同じ仕様)は2024年10月より店頭で発売予定とのことなのでご安心を。価格は66万円(税込)だ。

ファースト・インプレッション

このブルガリ アルミニウム GMT フェンダー® 限定モデルのベースは2021年に登場したアルミニウム GMTだ。搭載ムーブメントはCal. B192で、サイズなども変わらず、スペックはレギュラーコレクションと同じため、本稿では特に触れない(スペックやGMT機能についてはこちらの記事で紹介している)。本作において語るべきは外装の違いにつきる。

最大の見どころはダイヤルだ。レギュラーコレクションには青赤のセカンドタイムゾーン表示を持つブルーラバーモデル、黒赤表示を持つブラックラバーモデルの2種類があるが、どちらもダイヤルは表面を少し荒らしたマット仕上げ。一方、本作のダイヤルはストラトキャスターにインスパイアされたブラウンクリームのグラデーションカラーを採用しているのは紹介したとおりだが、そのギターのように表面にラッカーフィニッシュが施された艶のある質感を備えているのが特徴だ。また針やインデックスもレギュラーモデルは全体の仕上げに合わせてマット調だが、本作ではロジウムメッキの鏡面仕上げでやはり艶のある質感を持つ。どちらかといえばスポーティでカジュアルな雰囲気が強いレギュラーコレクションと比べると、この限定モデルは少しドレッシーな印象がプラスされておりシックなモデルに仕上がっている。

アルミニウム GMTは季節を問わずつけられる時計だが、レギュラーコレクションに対する個人的な感想としては夏の装いに爽やかなアクセントとしてつけるのにぴったりなイメージがあった。一方、本作はその色合い的にスエードのジャケットやフランネル素材のセットアップやスーツなど、どちらかといえばこれから迎える秋冬の装いにこそ映えそうな印象が強い。

そして本作において感心したのはベルクロストラップの採用だ。ダークブラウン&クリーミーホワイトカラー、そしてグロッシーなダイヤルなどともすればドレス感が強いディテールなのだが、ベルクロストラップを合わせたことでブルガリ アルミニウムが持つ、スポーティでカジュアルなイメージから逸脱することなくバランスよく留まっているように筆者には感じられた。

強いて気になる点を挙げるとするなら、価格だろうか。レギュラーコレクションは56万6500円であるのに対し、この限定モデルは66万円(ともに税込)で10万円ほどの価格差があるのだ。同スペックのバリエーションモデルという見方からすれば、やや高く感じるかもしれない。

だが、チャンスがあればぜひ店頭で見比べてみて欲しい。このアルミニウム GMT フェンダー® 限定モデルに魅力を感じたのなら、おそらくレギュラーコレクションと迷うことはないだろうと筆者は思っている。なぜならスペックは同じかもしれないが、この限定モデルが持つディテールにはレギュラーコレクションでは代替できない、この時計だけの魅力があるからだ。

ADVERTISEMENT
基本情報
ブランド:ブルガリ(BVLGARI)
モデル名:アルミニウム GMT フェンダー® 限定モデル(Aluminium GMT × Fender® Limited Edition)
型番:104117

直径:40mm
ケース素材: アルミニウム(ベゼルはブルガリ・ブルガリロゴのダブルエングレービングを施したブラウンのラバー製、リューズとケースバックはDLCコーティングを施したチタン製)
文字盤色: ブラウン‐クリームのグラデーション
インデックス: バー(6と12はアラビア数字)
夜光: 時・分針、インデックス、セカンドタイムゾーン24時間目盛り、GMT針にスーパールミノバ®
防水性能: 10気圧
ストラップ/ブレスレット:ブラウンのラバー製ブレスレット×アルミニウム製リンク&バックル付きベルクロ製ストラップ
追加情報:チタン製ケースバックに「Fender®」ロゴ

ムーブメント情報
キャリバー:B192
機能:時・分表示、センターセコンド、3時位置に日付表示、センターにGMT表示針
直径:26.2mm
厚さ:4.1mm
パワーリザーブ:約42時間
巻き上げ方式:自動巻き
振動数:2万8800振動/時
石数:25石
クロノメーター認定: なし

価格 & 発売時期
価格:66万円(税込)
発売時期:スペシャルセット140本分は8/30〜31の2日間のみEC上で先行購入受付。また冊子のつかない通常版(商品、スペシャルボックスに関してはEC先行分と同じ仕様)は10月より店頭でも発売予定
限定:世界限定1200本(8/30〜31の2日間のみ発売のスペシャルセットは140本限定)

日本でしか手に入らないグランドセイコー3モデル。

仕事の出張前に必ず行うことがあるとすれば、それは徹底的なリサーチである。私は常に旅行の段取りを心配している。しかし直近の日本への出張では、もうひとつ特別に調べたことがあった。それはどの時計を(もし買うなら)買うべきかということである。グランドセイコーのファンであれば、日本への旅行には特別な期待が伴う。というのも、日本国内でしか手に入らない(少なくとも店頭では)モデルがいくつか存在するからである。グランドセイコー フラッグシップブティック 銀座が入っている和光本店(以下、和光)の親切なスタッフの協力を得て、これらの特別なモデルのうち3つを紹介することができる。ただし、これらのうちひとつはすでに売り切れている可能性があるので注意して欲しい。

SBGH357 and SBGH241
少し背景を説明すると、和光が店舗を構える銀座のセイコーハウスは日本で最も象徴的な建物のひとつであり、セイコーの時計塔が頂上に据えられている。「服部時計店」は1881年に服部金太郎によって創業され、1947年に服部時計店の小売部門の業務を継承して和光が設立された。その後、服部時計店はセイコーグループへと成長し、和光は現在では日本で最も高価な不動産が立ち並ぶ場所に存在している。この現在のセイコーハウスは1932年に建てられた2代目にあたるもので、ネオ・ルネッサンス様式を踏襲した外観が特徴であり、第2次世界大戦中の東京大空襲を奇跡的に生き延びたことでも知られる。

Wako Building
また1954年のオリジナル映画から最新の『ゴジラ-1.0』まで、ゴジラの怒りの標的となってきたこの建物には、ハンドバッグや宝飾品、そしてセイコーブランドに属する最も希少な時計まで販売する和光が入っている。和光とセイコーブランドの長い歴史を考えれば、いくつかの限定モデルを販売するのにこれ以上の場所はないだろう。グランドセイコーには“和光限定”モデルの長い伝統がある。今回はそこから話を始めようと思う。

グランドセイコー ヘリテージコレクション 和光限定モデル SBGH241
SBGH241
私が初めて和光限定モデルを実際に目にしたのは、その象徴的なフラッグシップブテイックで行われていた展示であった。2階には階段の近くにある柱を囲むように、グランドセイコーの歴史における重要な瞬間と、和光でしか手に入らなかった時計が並べられている。

Grand Seiko Wakos
多くの和光限定モデルに共通するディテールは、非常にスタイリッシュなアラビア数字の採用と多彩なダイヤル仕上げである。これによりほかのラインナップには存在しない独特の美学が生まれている。

Grand Seiko Wako
私が実際に手に取ったSBGH241は2017年に発表されたハイビートの自動巻きモデルで、ケースデザインはSBGR251およびSBGR253と同様だ。また直径37mm、厚さ13.3mmのケースにCal.9S85を搭載している。このシャンパンゴールドのサンバーストダイヤルにはミニッツトラック部にハッシュマークが施されており、5分ごとにポリッシュが施された大きなマーカーが配置されている。また、6、9、12時位置にはアラビア数字が使われ、独特の存在感を放つ。さらに3時位置には日付表示も備えている。繰り返しになってしまうが、これはなくてもよかったかもしれない。

SBGH241
このように独特なダイヤルを持ちながらも、この時計はグランドセイコーに期待される多くの要素を備えている。シースルーバックであるのはうれしい点だが、ブランドが急速に革新を進めているなかでムーブメント自体にはやや古さを感じさせる点もある。しかしケースには十分なザラツ研磨が施されており、この価格帯としては非常に魅力的だ。記憶が正しければ、価格はおよそ80万円程度だ。渡航者の場合消費税が控除されれば、日本国内でおよそ5000~5500ドルで手に入れることができるだろう。

Grand Seiko Wako
このモデルは限定生産であるが、シリアルナンバーが付与されたエディションではない。また発売から時間が経過しているため、近いうちに新しい後継モデルが登場する可能性もある。さらに日本までの旅費が高額になることも考慮に入れてほしい。特にアメリカ(特に東海岸)からでは短い旅とはいえない。予算が限られている場合や和光で時計を購入するという特別な体験にそれほどこだわらないのであれば、中古市場でおよそ4500ドル(日本円で約66万円)程度で見つけることも可能だ。どちらにしても、次回のミートアップで見られる、ほかのどのグランドセイコーとも大きく差別化を図れるデザインの1本を手に入れることができるだろう。

SBGH241
グランドセイコー ヘリテージコレクション 和光限定モデル SBGH357 “秋の夕暮れ”
和光限定で私の目を引いたもうひとつのモデルが、この新しいSBGH357である。ピンクオレンジのダイヤルが特徴で、和光を訪れた際すぐにこの時計に心を奪われた。そのピンクオレンジの色合いは、今や名高い“春分”をやや彷彿とさせるが、より大胆である。ただしこの時計は85本限定である。

SBGH357
“春分”の自然な色合いとは異なり、SBGH357のダイヤルにはリネンのようなテクスチャーが施されている。グランドセイコーの公式画像ではもっとオレンジが強く見えるが、これは銀座の“秋の夕暮れ”に染まるセイコーハウスの石壁というテーマにふさわしいものである。しかし私は非常にピンクらしい印象を受けた。かつてロレックスがダイヤルにリネンのテクスチャーを使用したことがあるが、この質感は今でも非常に珍しく、その興味深いルックスだけでも私のなかでは高評価であった。

SBGH357
シースルーバックからはCal.9S85が見える点は先ほど紹介した和光限定モデルと同様だが、今回はより大きな40mmのケースに収められている。ほかのグランドセイコーほどのアイコン的地位を得るだけのポテンシャルはないかもしれないが、これほど興味深いダイヤルがひっそりと登場していた事実を考えると、チェックする価値は十分にあったと思う。

SBGH357
SBGH357
グランドセイコー ヘリテージコレクション グランドセイコースタジオ 雫石限定モデル SBGH283
SBGH283
前の時計を逃してしまって残念に思っている方に、いいニュースと悪いニュースがある。いいニュースはSBGH283は特別モデルのなかでもまだ手に入る時計であることだ。悪いニュースは、それを手に入れるためには単に東京に行くだけでは済まないことである。この時計を手に入れるには、岩手県盛岡駅まで6時間のドライブ、もしくは2時間半の電車移動をしたのち、タクシーで20〜30分ほどの距離にある雫石のスタジオまで行く必要がある。ここはグランドセイコーの機械式時計製造の拠点だ。木曜か金曜に訪れればスタジオ見学も可能で(事前予約が必要であるが)、希望があればそこでのみ販売される時計を購入することができる。

この時計は前述の2モデルと同様に、ハイビート自動巻きのCal.9S85と3時位置のデイト表示を備えている。ケースは直径40mm×厚さ13.3mmのステンレススティール(SS)製で、上で1本目に紹介した和光限定モデルに比べてややバランスの取れたサイズ感となっている。しかしグランドセイコーの時計においていつも主役となるのは、やはりダイヤルだ。

SBGH283のダイヤルパターンは視覚的に非常に捉えにくいことで知られている。ある光の下では真っ黒に見えるが、角度や光の加減を変えていくと次第にパターンが浮かび上がってくる。実際にはこのダイヤルは非常に深いフォレストグリーンで、スタジオを囲む森を表現しており、自然をテーマとするブランドのアイデンティティに深く関わっている。また雫石スタジオ内外の木製パネルをも彷彿とさせる色合いだ。

ダイヤル以外には、金色の“Shizukuishi Limited”ローターが特徴である。これはいいディテールではあるが、正直なところそれだけで購入の決め手になるかというとそうでもない。すべてはダイヤルの魅力と雫石に対する思い入れにかかっていると言えるだろう。当時の私は別のグランドセイコー、SLGW003を日本で手に入れたいと考えていた。

SLGW003は別に日本限定ではなかったために、かなり悩んだ末にアメリカに戻ってから購入することにした。しかし今になって写真を見返すと、少し後悔しているところもある。83万6000円(税込)という価格の雫石限定モデルは非常に魅力的であり、日本でグランドセイコーとともに過ごした時間に感動した私は、その時計が旅の記念としてもふさわしいと感じた。ただ今から購入するとなると中古市場で探すしかなく(実際に出回ることもある)、またいつか訪れて手に入れることを考えておくしかないだろう。

ブライトリングがライセンス契約によりNFLシールドを“保護”することに合意

ブライトリングのNFLライセンス契約が、チームカラーの文字盤やチームロゴの使用以上の意味を持つ理由。

米国市場はスイス時計業界にとってますます重要な存在になってきており、世界最古のブランドが初めて、アメリカ人向けに直接製品を展開し始める可能性が出てきている。

数年前のWatchTime NYで、かなり大きなあるスイスブランドの米国市場を担当する社長が、そのブランドの生産量のおよそ20%が米国市場に供給されており、その割合を25%まで引き上げるために奮闘していると話してくれた。そしてちょうど2週間前、HODINKEEとUBSが主催したHouse of Craftで、オーデマ ピゲのアメリカ地域CEOであるジニー・ライト(Ginny Wright)氏が、米国は正式にオーデマ ピゲにとって最大の市場だと同僚のマライカ・クロフォードに語った。これらふたつのブランドは単純に比較できるものではないが、米国市場はパンデミックやその後の急増した売上を経てもなお、確実に成長を続けていることを証明している。

スイス時計産業連盟によると、2021年に米国は中国を抜いてスイス時計の最大輸出市場となった。同連盟の最新レポート(2024年9月)が、このやや逸話的だった情報を裏付けている。スイス時計の輸出が2023年9月と比べて12.4%減少し市場全体が落ち込むなかでも、米国市場は同期間に2.4%成長を続けている。このレポートによると、8月は7.6%増(世界全体では6.9%増)、7月は11.4%増(同1.6%増)、6月は6.5%増(同7.2%減)と、この夏を通して米国市場の堅調さを見て取れる。

Breitling’s NFL tailgate event
米国の時計市場がそのポテンシャルを何度も証明している今、スイスのブランドが世界最強のこの市場にアピールするため、実際に行動を起こそうとしているのは当然だろう。我々時計愛好家は、この業界の製品サイクルの長さをよく知っている。パテック フィリップは、新作のキュビタス グランドデイト Ref.5822Pの開発に6年もの歳月を費やした。単純に考えれば、6年前の米国市場は世界第2位で、香港(第1位)、中国(第3位)、イギリス(第4位)が大きく成長する一方で後退していた。もし、米国市場の一員であるあなたに向けたデザインではないと感じる製品があったとすれば、それはおそらくまだそのようにはつくられていないからだ。

時計業界の“新たな”最大市場に対応した品揃えが見られるようになるかは、時が経たなければ分からないが、マーケティング費用ははるかに短い時間軸で配分される。マーケティングキャンペーンは、ブランド全体のルック&フィールを変える上で大いに役立つ。オーデマ ピゲを見ればそれがよく分かるだろう。しかし、限定版プロジェクトやコラボレーションは、注目してみればさらに明確なブランドイメージを示している。これもまたオーデマ ピゲの例を見てほしい。特別なプロジェクトに分配される利益や関連する開発費は厳密には“マーケティング費用”ではないが、短期間でブランドのメッセージングを変える力を持っている。この観点で、ブライトリングがニューヨークのミートパッキング地区でNFLとの公式ライセンス製品のコレクションを祝う“テールゲート”パーティを開催しているのを見かけたとき、私は思わず興味を引かれた。

アメリカでは日曜日はNFLのものだ。“プロフットボールがアメリカの日曜日を教会から奪った”というフレーズをよく耳にするが、これは実に的を射ている。2024年シーズンのNFL開幕週末には、合計で1億2300万人のアメリカ人が少なくとも試合の一部を観戦しており、これは国民のおよそ36%に相当する。一方、ギャラップの調査によると、2021年から2023年にかけて、毎週教会に通っていたアメリカ人は21%、ほぼ毎週通っていた人は9%で、合わせて約30%となっている。

A vintage NFL watch
1971年製もラファイエット・ウォッチ カンザスシティ・チーフスモデル。Image: courtesy of The Watch Preserve

A 2000 Breitling for the Baltimore Ravens
2000年製のブライトリング クロノマット 100本限定 ボルティモア・レイブンズモデル。

この視聴者数からも分かるように、NFLはまさにビッグビジネスである。その規模は約180億ドル(日本円で約2兆7400億円)に達し、80億ドル(日本円で約1兆2200億円)の差をつけてNFLは世界最大のスポーツリーグとなっている。アメリカ国外で最大のリーグとしてはイングランド・プレミアリーグがあり、その収益は約66億ドル(日本円で約1兆円)だ。ちなみにF1は少し下の32億ドル(日本円で約4870億3000万円)に位置している。

LVMHがF1スポンサーの座を“年間1億ドルの可能性”でロレックスに競り勝ったことを覚えているだろうか。CBS、NBC、FOX、ディズニー、Amazonは、NFLの試合を放送するために年間約100億ドル(日本円で約1兆5200億円)を支払っているが、これは氷山の一角に過ぎない。報道によると、Foxはトム・ブレイディ(Tom Brady)氏に対して、NFL中継の一部でカラーコメンテーターを務める契約として年間3750万ドル(日本円で約57億1000万円)を10年間支払う予定だ。この3億7500万ドル(日本円で約570億2000万円)という契約は、ブレイディ氏の現役時代の収入3億3300万ドル(日本円で約500億7000万円)を上回り、これにより彼はFoxメディア全体で最高クラスの報酬を受ける“スター”のひとりとなった。

世界中のあらゆるブランドが、パートナーシップやライセンス契約を通じてこの動きに乗じている。NFLのコンシューマープロダクツ担当副社長ライアン・サミュエルソン(Ryan Samuelson)氏は、ライセンス事業が100以上のブランドと提携していることを認めている。サミュエルソン氏によれば、リーグの国際シリーズのおかげでNFLへの世界的な関心が高まっているという。レギュラーシーズンの試合は2007年からロンドンで開催され、2016年にはメキシコ、2022年にはドイツ、2024年にはブラジル、そして2025年にはスペインでの開催が予定されている。これが欧州ブランドからの関心を引き寄せる原動力になっているとサミュエルソン氏は説明する。「これらのブランドが“これは私たちが本当に活用し、つながりたいものだ。このリーグは国際的に大きな熱狂と支持を集めている”と動き始めているのは、自然な流れだと思います」

Breitling and NFL collaboration watches
NFLがアメリカ国内で圧倒的な注目を集め、さらに世界的な拡大を目指す姿勢が、ブライトリングのようなブランドを引きつけている。ブライトリングはミートパッキング地区のテールゲートでNFLとのライセンス契約を発表し、NFLの32チームそれぞれにクロノマット B01のフルラインナップを展開すると発表した。時計の9時位置にあるインダイヤルには各チームのオフィシャルロゴを配し、文字盤は各チームのジャージカラーに合わせたパントーンカラー、シースルーバックにはNFLのリーグロゴ“シールド”があしらわれている。各チームにつき104本、合計で3328本が製造された。小売価格はブレスレット仕様で9200ドル(日本円で約140万円)だ。

ブライトリングUSA代表のティエリー・プリセール(Thierry Prissert)氏に話を聞くと、この3328本の時計にとどまらず、ブランドが一層の熱意をもって取り組んでいることがよく分かる。製品を完璧に仕上げるために18カ月の開発期間が費やされたが、それ以上に製品展開のスケールが大きい。発表イベントでは7チーム分の時計が販売されたが、「新たなチームの時計が発売されるたびに、地元の宝石店やブティックでローンチイベントを開催します」とプリセール氏は語る。「感謝祭までに、あと25のイベントを予定しています」。このキャンペーンは、ライセンス契約によりロイヤリティでマージンが減少しているなかで、比較的少量の時計を発表するために本気で行われているものだ。プリセール氏は、NFLとのパートナーシップが「米国における当社の最重要ライセンス契約」であることを認めている。

各ローカルイベントのあと、この時計は正式に購入可能となる。「少なくとも販売分の60%は米国市場で確保しています」とプリセール氏は説明している。これは各チームのファンが最初にこの時計を手に入れられるようにするための配慮だ。なかには60%では足りない地域もあるかもしれない。グリーンベイにある唯一のブライトリング店舗からは“怒りの”電話がプリセール氏に届いたそうで、この店舗では2日間で45本が売れたという。

時計愛好家にとってはあまり注目されないかもしれないが、このパートナーシップの象徴的なディテールとして、裏蓋に施されたNFLのシールドロゴがある。サミュエルソン氏は「このロゴは一般的に、私たちのオンフィールドパートナーや最高位のパートナーにしか提供しません」と明言している。オンフィールドパートナーとは、単なるライセンシーではなく、NFLの正式なパートナーであり、バドライト(“NFL公式ビールスポンサー”)やビザ(“NFL公式支払いカード”)のような存在だ。ブライトリングのシールドロゴの使用についてサミュエルソン氏は、ブライトリングの“在庫に対する大規模なコミットメント”がブランドの本気度をNFLに示したと説明している。

「私たちにとって大事なのは金額ではなく、ファンがこのブランドとつながり、楽しむ機会を確保することです」とサミュエルソン氏は話す。ブライトリングが限られたチームのためにわずか12本の高級時計をつくるのではなく、多くのファンに届けようとしたことで、通常はライセンシーには許可されないロゴの使用が可能になり、公式パートナーシップに向けた話が進んでいるのだ。

私はどうしてもNFLのシールドロゴを手に入れたかったのです。そして、私たちはそれを手に入れました」とプリセール氏は述べている。さらに彼はブライトリングがNFLとのパートナーシップをより大規模なものに成長させたいという意欲を率直に語った。もし実現すれば、これが初めての試みとなる。NFLが時計ブランドと提携したり、“NFL公式腕時計”として契約を交わしたことはこれまで1度もない。プリセール氏は真剣な口調でこう述べる。「将来的にどうなるかは分かりませんが、より大きな契約に発展するかもしれませんし、ライセンスの更新になるかもしれません。しかしこれは私たちにとって非常に興味深い何かの始まりだと考えています。これがブライトリングの見解です」

ブライトリングとNFLのライセンス契約は、パートナーシップの継続や拡大を両者が望んでいることを考えると、文字どおり3328本のクロノマット B01以上の価値があり、さらに強固な米国市場の重要性や関心の高まりを示すものでもある。この動きがさらに拡大し、近い将来ほかの時計ブランドが米国市場に積極的に向かうようになるとはまだ断言できないが、ブライトリングがNFLの重要性を認識していることは確かだ。これはアメリカの心に薄く触れるだけの契約ではなく、アメリカ文化の中核に本質的に関わる真の投資だ。

ジャガー・ルクルトは、このオリジナルアイデアをさらにグレードアップさせたPGの限定モデルを発表した。

ケース、文字盤、ムーブメントブリッジがすべてPGで統一されたこのモデルは、すでに優れたデザイン性と複雑さを持つレベルソをさらに美しく進化させたものといえる。

JLC Reverso Chronograph Pink Gold
新作最大の魅力はムーブメント側にある。スケルトナイズされた裏側の文字盤から、PG製のムーブメントを鑑賞できるのだ。文字盤には時・分・秒表示に加え、文字盤下部には30分レトログラード積算計が配されている。PG製ムーブメントにはコート・ド・ジュネーブ仕上げが施され、その上に文字盤とバトン型インデックスが浮かぶようにデザインされている。その裏には時刻表示に特化したディスプレイがある。こちら側には細かな水平ラインをレーザー彫刻で施した金無垢の文字盤が採用されており、エレガンスさと機能性を兼ね備えたデザインとなっている。

JLC Reverso Chronograph Pink Gold
ケースサイズは49.4mm×29.9mm、厚さ11.4mmで、両面に時間表示を備えた設計となっている。内部には、1998年発表のCal.829をベースとしたCal.860を搭載。ムーブメントにはコラムホイール式のクロノグラフと水平クラッチが採用され、裏のディスプレイにはオリジナルの1990年代版にはなかった時刻表示が追加されている点が特徴的だ。しかしこのアップグレードされたムーブメント素材や文字盤の仕上げには、相応のコストが伴う。価格は6万6000ドル(日本円で約1020万円。日本での定価は要問い合わせ)で、昨年発売されたモデル(税込で607万2000円)のほぼ倍に達する。この新作は世界中のJLCブティックにて購入可能で、限定250本のみのリリースとなっている。

我々の考え
この新作についてはほぼすべてが気に入っている…価格を除いては、だが。あまり強調したくはないものの、6万6000ドル(日本円で約1020万円。日本での定価は要問い合わせ)という価格は、昨年のモデルと比較するとやや納得しがたい部分があるように思う。SS製クロノグラフも389万4000円(税込)と決して安くはないが、個人的にはジャガー・ルクルトのコレクションのなかで最初に欲しいと思える時計だし、日常的に身につける姿が容易に想像できる。同社は、これまで高級な複雑機構を備えながらも優れたコストパフォーマンスを提供するブランドとして注目してきたが、6万6000ドル(日本円で約1020万円)という価格設定はそのイメージとは少しズレているように感じる。それでも、この時計が非常に魅力的なデザインであることには間違いない。

JLC Reverso Chronograph Pink Gold
本作は限定モデルであるため、その希少性を目的に購入する人々にとっては価値がさらに高まるだろう。限定モデルであることに加え、ムーブメントをゴールドで仕上げた点も注目すべき点だ。1990年代や2000年代のレベルソ・クロノグラフに使用されたオリジナルのムーブメントをほうふつとさせ、その価値をさらに高めている。またこのアプローチはF.P.ジュルヌを思わせる部分もある。ゴールド製のムーブメントを工業的に製造し、価格に見合うよう必要十分な仕上げを施している点が似ている(実際のムーブメントを目にしたわけではないが、おそらくそのような仕上げになっていると推測している)。

JLC Reverso Chronograph Pink Gold
昨年のピンクゴールド仕様のクロノグラフと比べると、今回の新作はより統一感のあるデザイン言語を体現していることが分かる。以前のモデルでは、ムーブメントのシルバートーンがツートーンの雰囲気を醸し出していた。以前のモデルも決して悪い印象はなかったが、新しいバージョンを目にした今では、もし選ぶとしたら間違いなくこちらを選ぶだろう。この時計を実際に手に取って試したいと思うなら、ぜひコメント欄で知らせて欲しい。

基本情報
ブランド: ジャガー・ルクルト(Jaeger-LeCoultre)
モデル名: レベルソ・トリビュート・クロノグラフ(Reverso Tribute Chronograph)
型番: Q389256J

直径: 縦49.4mm×横29.9mm
厚さ: 11.14mm
ケース素材: 18Kピンクゴールド
文字盤: ピンクゴールド(エングレービング)
インデックス: アプライド、スケルトン加工およびアプライドディスプレイ
夜光: なし
防水性能: 30m
ストラップ/ブレスレット: カーサ・ファリアーノのカーフレザーストラップ、ブラックアリゲーターストラップ付属

JLC Reverso Chronograph Pink Gold
ムーブメント情報
キャリバー: 860
機能: 時・分表示(両面ともに)、クロノグラフ、30分レトログラード積算計(裏面のみ)
直径: 縦27.2mm×横21.2mm
パワーリザーブ: 約52時間
巻き上げ方式: 手巻き
振動数: 2万8800振動/時
石数: 38
クロノメーター: なし
追加情報: ピンクゴールド製のムーブメントブリッジおよび地板

ロレックス、チューダーの新作リリース取材の準備を進めていた。

ロレックスの公式サイトをチェックし、すぐにデイトナのページへ飛んだ。そして驚くべきことに、ホワイトゴールド(WG)仕様の“ル・マン” デイトナ Ref.126529LNが消えているのを発見したのだ。ベンはすぐさま携帯を取り出し、これまで築いてきた人脈のなかからとある携帯番号にメッセージを送った。そして戻ってきた返事は次のとおりだ。「あなたが所有している仕様のデイトナは生産終了になりました」。さらに「それ以上におもしろいモデルが登場します」という情報も聞かされた。それから数カ月が経ち、ついにその“おもしろいモデル”が何なのか判明した。それがイエローゴールド(YG)仕様のデイトナ “ル・マン” Ref.126528LNである。幸いなことに、両モデルを同じ場所に集めて写真に収めるのにはほんの9カ月ほどしかかからなかった(皮肉だ)。

WG仕様のデイトナ “ル・マン” Ref.126529LNはロレックスの歴史のなかでも屈指の話題作となったが、その寿命は1年にも満たなかった。昨今のロレックスとしては異例の短期間で姿を消したモデルだ。そして次に話題を集めたのは、その短命の話題作と基本的には同じだが似て非なるもの(YG製のル・マン)であった。両モデルはシルバーのインダイヤルに特徴的な“ロリポップ”型のマーカー、セラミック製ベゼルの赤い“100”表記、シースルーケースバックなど、共通のデザイン要素を備えている。しかしYGモデルはWG版とは異なり、公式サイトに掲載されることもなくカタログ外でのリリースとなった。そしてロレックスは、ロレックススーパーコピーn級品 代引きこのモデルのHands-On取材を許可する気はまったくなかったようだ。どれほど丁重にお願いを重ねても、この9カ月間一度も実現しなかった。

正直なところ、WG仕様の“ル・マン”をオーナー視点でレビューしたベンのA Week on the Wristに私から付け加えるべき新たな情報はほとんどない。この時計のスペックを見てみると、直径40mm、厚さ12mmで、2023年に登場したデイトナの新型ムーブメントCal.4132を搭載している。しかしYG仕様には特別な魅力がある。私がWG仕様の“ル・マン”で気に入っている点、すなわち控えめな佇まいと、ステンレススティール(SS)に見紛う外観はこのYG仕様ではすべて覆される。こちらはより大胆で、派手で、圧倒的な存在感を放つモデルだ。

これはあくまで個人的な印象だが、新作のRef.126528LNのYG仕様は先代のモデルよりも流通しているように感じる。初めてこの時計を目にしたのは、2024年9月に東京・中野のジャックロードというショップでWG仕様の“ル・マン”と並んでラップに包まれた状態で展示されていたときだった。そのときの価格は5500万円ほどで、約36万ドルに相当する(ちなみにWG仕様の価格は3280万円、約21万ドルだった)。この価格はかつての“レインボー”デイトナ(多くの人にとって憧れのカタログ外モデル)とほぼ同じ水準である。その後、UBSのハウス・オブ・クラフトイベントで別の個体を目にし、さらに10月にはシンガポールで開催されたIAMWATCHでも見かけた。そして最終的に、このYG仕様の“ル・マン”が友人のひとりに納品されたことを知った。ちなみに、その友人のまた別の友人も最近このモデルを入手したと聞いている。

SNS上でどれだけの個体を見たかや、あるいは二次流通市場で現在約30万ドル(日本円で約4700万円)の値がついていることはさておき、この時計は依然として極めて希少な存在だ。ある国際的な販売業者によると、同社が顧客のために確保できたのはわずか6本未満だという。実際に何本製造されたのか、正確な数字を知る者はおそらくいないだろう(それがロレックスの流儀だ)。だが少なくとも、多くはないことは確かだ。私がこれまで見た現代のロレックスのなかでこれよりも希少だと思えたのは、ルビー・デイトナだけだった。

ロレックスがこの時計に下したいくつかの決定について、これを48時間身につけ、あたかも自分が世界でもっともホットな時計を手にできるVIPであるかのように振る舞っているあいだに、気がついたことがいくつかあった。そのひとつ目(これは多くの人が異論を唱えるだろうが)はシルバーのインダイヤルだ。ケースカラーに合わせてインダイヤルをゴールドにするのが、選択肢としては当然だったはずだ(例えば、私の個人的なトップ3に入る“ジョン・プレイヤー・スペシャル” Ref.6241のように)。だが私は、そうしなくて正解だったと思う。その理由は正直わからないが、HODINKEEのオフィスにいる全員が口を揃えて“シルバーのインダイヤルのほうが“しっくりくる”と言ったのだから。

オリジナルのWG仕様のロレックス デイトナ “ル・マン” Ref.126529LNと、YG仕様の後継モデルとの違いは少ない(もちろんケース素材とそれに合わせたアクセントを除けばだ)。その違いのひとつは非常に微妙で、気づいたことを自慢できないほどのものだ。代わりに才能あるデザイナー、マット・トンプソン(Matt Thompson)が「ベゼルの赤い“100”の表記が少し違って見える」と指摘してくれた。この“100”はル・マン24時間レースの100周年を記念してオリジナルのモデルで着色されていたものだが、確かに彼の指摘は正しかった。

もちろん、撮影に使用したストロボの光には多少のばらつきがある可能性がある。それでも同じカラーバランス、照明設定、その他すべての条件を揃えた状況で比較してみると、上の写真に写っているWG仕様の“ル・マン”の赤色は、RGB(レッド、グリーン、ブルー)のすべてのチャンネルにおいて若干弱めに見える。一方でYG仕様ではこれらのチャンネルがすべて強めに出ている。念のため色マニア向けに16進コードを紹介しておくと、WGは#e43d45、YGは#f9494bだ。これを色の違いを測定する指標であるデルタE値(ΔEは色の測定と比較に使われる指標)で比較すると、その差は5.28になる。ちなみに、純白と純黒のΔE値が100であることを考えると、この差はおよそ5%に相当する。

なぜだろうか? 私の推測では、おそらく同じ色の塗料を使用している。しかし両モデルのセラミックベゼルは、それぞれのカラーに合わせたゴールドのベゼルの上にセラミックが重ねられている。そして“100”の部分にはセラミック製の赤色がインレイされているが、その赤色層が非常に薄いため、下地の素材の影響を受けて色味が変化している可能性があると、少なくとも私はそう考えている。オフィスの何人かは、YG仕様のダイヤルの赤色も若干濃いのではないかと指摘していた。しかしそれについて定量的な証明はできなかった。

この時計には、ほかにも楽しむべきポイントがたくさんある。私は長いあいだ、この時計を真剣に撮影する機会を得ようと努力してきた。そしてようやく、その写真を皆さんに共有できるときが来たのだ。今回は長々と5万400ドル(日本円で約800万円)の腕時計の価値を語るつもりはない。むしろ、スマートフォンの壁紙に最適な画像を紹介しよう(そのあたりのことは私に任せてほしい)。

最終的な感想は? 何人かの読者は、実際にこれらの時計のうち1本、あるいは両方を目にする幸運に恵まれたことだろう。実際、Instagramのユーザーから「最近日本で両方試してみた」と聞かされたほどだ。もしあなたにこの2本のうちどちらか1本を手にするチャンスが訪れたとして、仮に選択の余地がないとしても、手に入る時計は間違いなく“傑作”だろう。だが個人の意見としては、もし選べるならWG仕様を選びたい。私はYG製のスポーツウォッチを身につけるタイプではないからだ。とはいえ本当に見てみたいのは、以下に掲載するデザインのSS版だ。赤いベゼルの表記もロリポップマーカーも必要ない。ただ、かつてのRef.6240のようなケース、ベゼル、プッシャー、そして最も重要なインダイヤルのデザインに回帰したモデルが欲しい。それが叶うなら、2本テイクアウトしたいくらいだ。

いつもならここで、“詳しくはこちら”とロレックスの公式ウェブサイトへのリンクで締め括るところだ。しかしこの時計は、ロレックスの公式ウェブサイトには存在しない。