ブラウン×ポール・スミスのコラボレートによる2本の新作ウォッチが登場。

そして今回はスイス製機械式ムーブメントを搭載している。

ドイツプロダクトデザイン大手のブラウンと、イギリスのファッションブランドであるポール・スミスが再度コラボレートし、今度はスイス製ETAムーブメントを搭載したモデルを発表した。

新作ウォッチ1本目(BN0279SLPS)は、ETA 2895-2ムーブメントを搭載したスモールセコンドと日付表示付きの40mm径マットシルバーステンレススティール製モデルだ。2本目(BN0279GNPS)も40mm径だが、マットなガンメタルのSS製ケースで、ETA 2892A2ムーブメントを搭載する。どちらもレインボーの秒針と3時位置に日付表示を備える。またシースルーバックで、ムーブメントが見えるようになっている。

生成される各リファレンスは100本のみ。しかも950ドル(日本円で約14万円)もする。

さて、ブラウンが1989年に作った最初のアナログウォッチを振り返ってみよう。お察しのとおり、AW10は33mmというシンプルな3針ウォッチだった。実際にはディートリッヒ・ルブス(Dietrich Lubs)とディーター・ラムス(Dieter Rams)による、機能性と視認性というビジョンを反映してつくられたものだ。おそらくこれは、2023年にはもっと大きなフォントサイズが必要だという事実を示しているのではないだろうか? 私たちの目が弱くなってきている? 画面からくる疲れ? よくわからないけれど。最新版のAW10は3万8500円(税込)で購入できる。

復刻版のブラウン AW10。Photo: courtesy Braun P&G

私はブラウンならAW20がいい。トニー・トライナはかつて、それが史上最高の日付窓を備えていると主張していたことがある。本当の話なら大きい。

話を戻して、この新しい40mm径自動巻きモデルには、6時位置にポール・スミスのサインが刻印されている。すっきりとしたミニマルなルックだ。これらのデザインはオリジナル製品から大きく逸脱することはない。

我々の考え
ブラウンは実は地味なコラボキングだ。オフホワイトやハイスノバイエティともコラボしたことがあり、ハイプの力はお手の物だ。しかし今回ポール・スミスと一緒に仕事をすることで、少し違ったデモを見ることができたのは確かだ。もう少し大人っぽく、もう少し洗練されていて、 “クリーニング屋から戻ってきたら、すぐにシャツをしまって、色やシーン別に掛けておく”ようだ。

ブラウンとのコラボレーションは、ディーター・ラムスのコアデザインの信条から大きく逸脱することはない。クールかつクリーンで、ミニマルなのだ。

ブラウンの腕時計に950ドル(日本円で約14万円)払うように説得するのは少し難しいかもしれないが、これは限定モデルであり、また自動巻きムーブメントとメンズウェアの生みの親であるポール・スミスによるお墨付きをもらっているのだ!

基本情報
ブランド: ブラウン(Braun)
モデル名: ポール・スミス + ブラウン BN0279(Paul Smith + Braun BN0279)

型番: BN0279SLPS(スモールセコンド)、BN0279GNPS(センターセコンド)
直径: 40mm
ケース素材: ステンレススティール
文字盤: グレー
夜光: あり
防水性能: 5気圧
ストラップ/ブレスレット: 22mm幅ブラックPUストラップ

ムーブメント情報
Braun x Paul Smith watch caseback
キャリバー: ETA 2895-2、ETA2892A2
機能: 時・分表示、スモールセコンド、日付表示(スモールセコンドモデル)/時・分表示、センターセコンド、日付表示(センターセコンドモデル)
直径: 25.6mm
パワーリザーブ: 約42時間
巻き上げ方式: 自動巻き
振動数: 2万8800振動/時
石数: 27(スモールセコンドモデル)、21(センターセコンドモデル)

価格 & 発売時期
価格: 950ドル(日本円で約14万円)
発売時期: 発売中
限定: あり、各リファレンス100本

アビエーションに深いつながりを持つブランドと作り上げた、トラベラーGMTウォッチ。

ロンジンから発表された比較的新しいコレクションだ。しかしその背景には、かねてより深いつながりを築いてきたアビエーションへの敬意と、ブランドがこの分野で築いてきた確かな実績がある。パイロットウォッチらしく視認性に優れた無骨なディテールと、ロンジンが創業当時より大事にしているというエレガンスを現代的な時計製造技術を用いて融合させたモダンなミリタリーウォッチだ。登場からまだ3年ながらリリースのテンポは速く、2021年にはチタン製ロンジン スピリット、2022年には42mm径のZulu Time、そして今年2023年にはZulu Timeの39mm径にフライバッククロノ(しかもそのチタンモデルまで!)と、僕たちの関心を誘うモデルが次々に登場している。

そして、その勢いに乗るかのようなタイミングで、ロンジン スピリット Zulu Time リミテッドエディション for HODINKEEを、12月5日(火)の深夜に全世界に向けて発表した。ロンジン スピリット Zulu Time 39mmをオールグレード5チタンで仕上げた、税込価格で60万円を切るハンサムなトラベルウォッチだ。

少し話は逸れるが、僕はあまり国外への渡航経験がなく、これまではGMT機能についてタキメーターやヘリウムエスケープバルブのように“自分ではおよそ活用しないが便利なもの”として分類していた。しかしパンデミックがようやく落ち着きを見せた今年、距離的にも精神的にも遠く感じていた海外が、再び僕たちの生活に戻って来つつある。2023年は時計業界でも、国内外問わず遠方に足を運ぶイベントが目に見えて増えた年だった。加えてここ最近続いているトレンドもあり、今年は(とにかく多かった)GMTウォッチのリリースに目を奪われ続けていたように思う。そんななか、リリースされたばかりのコラボウォッチが編集部に届いた。ケースを開けて手首に乗せた瞬間、僕の心は大きくざわついた。それから1週間ほど経つが、この時計とともにまだ見ぬスイスの地を行くイメージが頭の片隅にこびりついている。最初に手に取ったときに感じた高揚が何だったのか、確かめるべく再び箱から取り出してみた。

改めて、ロンジン スピリット Zulu Time リミテッドエディション for HODINKEEのサイズからチェックしていこう。ベースとなったのはロンジン スピリット Zulu Timeの39mm径モデルで、厚さは13.5mm、ラグトゥラグは46.8mmと、ジェームズがSSモデルの記事で述べているようにスポーツウォッチとしてあらゆる人が身につけやすいミドルサイズに仕上がっている。僕の手首周りは約17cmで、これは日本人男性の平均と一致するそうだが、下写真でご覧いただけるとおり大きすぎず、小さすぎもしないジャストなフィット感だ。手首の幅に対してラグの余りもない。

特筆すべきは、サイズに対しての圧倒的な軽さだ。39mm径のステンレススティール(以下SS)モデルの本体重量が99.3gであったのに対し、今作はグレード5チタンの採用によって約半分となる51gまで抑えている。ムーブメント自体に変化がないことを考えると、大変なダイエットだ。この写真を撮影した日は直前までロンジンのクロノグラフモデル(ストラップを除く重量は98.2g)をつけていたが、いざ今作を手首に乗せたときのギャップは大きかった。ブレスは従来モデル同様、21mmから16mmまで強くテーパーした品のあるスタイルだが(このブレスはジャケットを着るような日のスタイリングにもしっくりくる)、手首を大きく動かしたときもヘッドの重量に振り回される感覚はまったくなかった。

また、素材とともに仕上げにも言及しておきたい。SSと比較してチタンの質感は温かみがあると表現されることが多い。今回のコラボモデルにおいても、ベゼル正面やケースに見られるヘアライン部はチタンならではの柔らかな光を放っている。しかし一方で、ポリッシュ部はSSと見紛うほどの仕上げが施された。特に、ヘアラインとポリッシュが交互に施されたブレスのコントラストには目を引かれる。ブレスのサイドにもポリッシュがかけられており、ふと傾けて見たときに美しく光り輝く。

なお、もうご存じの人も多いと思うが、Zulu Timeは時針のみを1時間刻みで動かすことができるローカルジャンピングGMT機能と、回転ベゼルによる第3時間帯表示を備えた時計だ。前者は完全に針を停止させることなく現地時間に調整することができる便利な機能であり、“トラベラーGMT”と呼ばれることもある。同価格帯での競合は今でこそ増えているものの、かつてはGMT針単独稼働型のいわゆる“オフィスGMT”がこのレンジの主流だった。2018年、チューダーのブラックベイ GMTが開拓して以降発展してきたミドルプライスのGMT市場において、100年以上前からロンジンのようにGMTウォッチを展開してきた歴史あるブランドのトラベラーGMTウォッチが手に入るというのはありがたいことだ(1908年にオスマン帝国向けに世界初のデュアルタイムゾーン懐中時計を、1925年には角型腕時計“ズールータイム”をリリースしている)。

なお、ローカルジャンピングGMTについて、HODINKEEではフライヤー(Flyer)GMTと表記することがある。実際に飛行機に乗って異国を行き来するジェットセッターにとって非常に重宝される機能であることから、そう呼ばれている。彼らはときに大きな荷物を抱えて、トランジットを含めて片道1日、いや2日はかかるような旅に出かける。その道中、体に密着している時計は1gでも軽いほうがいいだろう。12時間を超えるようなフライトは新婚旅行でスペインを訪れたとき以来経験していないが、そのとき手首にあったダイバーズウォッチを到着時にひどく重たく感じたことを今でも覚えている。この日は撮影を含めて3時間ほど着用しただけだったが、そのあいだ手首の上でわずらわしさを感じることは一度もなかった。

今回、もっとも気に入ったのはダイヤルデザインだ。すでにZulu Timeを持っているなら手元で見比べて欲しいが、いくつかの要素が省略され、非常にすっきりとまとまっていることがわかると思う。例えば、“LONGINES”の文字下にあった両翼の砂時計のロゴ。ブランドの創業時から使用されている由緒と歴史のあるものであり、これがダイヤルにあるとどこかエレガントさと気品が漂う。だが、ヘリテージ アヴィゲーションシリーズや、一部のヘリテージ クラシックでは省略されていることが多い。僕が持っているアヴィゲーション ビッグアイも12時位置には“LONGINES”とそっけなくプリントされているだけなのだが、このほうが古きよき時代のパイロットウォッチといった趣が強まるように思える。また、今作ではロンジン ヘリテージコレクションに共通していた6時位置の5つ星も省略され、デイトは6時位置から3時に移動してインデックスに溶け込むようなカラーリングが施された。アンスラサイトの控えめなダイヤルはマットな質感のチタンベゼルと相性がよく、総じて現代的なスポーツウォッチに見られるギラつきや主張を抑えたクラシカルな顔立ちに仕上がっている。ミッドセンチュリー特有のさりげない美しさを目指したとローンチ時の記事にも書かれているが、確かにどんな手首にも自然に馴染む、トレンドに左右されない飽きのこないデザインだと思う。

リューズの砂時計ロゴはそのまま残されていて、シンプルなサイドビューのアクセントとして機能している。ソリッドケースバックで“ZULU TIME”の文字があった場所には“HODINKEE LIMITED EDITION”と刻印が施され、ロゴを挟んだ下部にはシリアルの表記もある。また、ブレスレットはインターチェンジャブルシステムを採用しており、工具を使わずに簡単に着脱が可能だ。

シチズン プロマスターより、ブランド初となる機械式GMTウォッチが登場。

プロマスターらしい頑強なパッケージにタフネスあふれるスペックを搭載した、パフォーマンスに優れるFlyer GMTウォッチが登場した。

シチズン プロマスターは1989年の登場以来、陸・海・空の分野で活躍するプロフェッショナルたちに向け、高い耐久性と卓越した機能性を有するアクティブな時計を作り続けてきたブランドだ。ダイヤルやリューズに施された矢印型のアイコンはより高い空の上、より深い海の底への挑戦を示すものであり、その意志は昨今のプロダクトに至るまで機能やスペックの面で徹底して反映されている。そんなシチズン プロマスターは2024年、生誕35周年を迎えた。そして記念すべき年の始まりを祝し、航空分野にフォーカスした“SKY”カテゴリに2本のニューモデルが投入される。それが、1月25日(木)に発売を控えたブランド初の機械式GMTウォッチ、メカニカル GMTだ。

プロパイロットの使用を視野に入れたSKYシリーズからは、これまでもワールドタイム機能を搭載したモデルが数多く輩出されてきた。だがそのなかに、4本目の針、すなわちGMT針をゼンマイの力で動かす古典的なGMTウォッチは見当たらず、例えば1994年にリリースされたナビホーク(SKYシリーズの記念すべき1本目だ)からしてすでに液晶とサブダイヤルを併用したデジタル制御のワールドタイマーを採用していた。あらかじめモジュールに登録されている都市の時刻をリューズとボタン操作で呼び出すことで、簡単に第二時間帯やUTC(協定世界時)を表示できる仕様だ。その後、2000年台には電波受信方式による調整を取り入れたモデルやGPS衛星電波時計搭載モデルなども続いたが、SKYシリーズとしては基本的に電子制御によるワールドタイム表示の形を取ってきた。

1994年のナビホーク。アナログ部とデジタル部の完全同期を図った多モーターコンビネーションウオッチ。UTC時刻のほか、アナログ部時刻、デジタル部時刻の3時刻同時表示が可能だった。

2016年のエコ・ドライブGPS衛星電波時計。GPS衛星電波時計、F900を搭載したモデルとして登場した。

まあこれは、プロマスターが高精度で高機能なプロフェッショナルツールにこだわってきたことの表れかもしれない。しかしブランド35周年にして、プロマスターは初めて機械式ムーブメントによって駆動する“Flyer”GMTウォッチを発表した。44.5mm径のソリッドなステンレススティール(SS)製ケースにグレーのメッキを施した固定式の24時間表示ベゼルが装着されていて、GMT針がこのベゼルを指し示すことで第二時間帯を知らせてくれる極めてアナログな時計だ。

フランジ部分は既存のSKYシリーズ同様に回転計算尺となっており、8時位置のリューズで操作することが可能だ。また、ベゼルの丸みを帯びた形状は航空機の機体をイメージしており、バンドのエンドピースに入れられた斜めのカットは翼断面に着想を得て空気の流れを表現したものだという。“プロマスター初の機械式GMT”という新たな取り組みを示す冠がついてはいるが、各ディテールはこの時計があくまでプロマスターのSKYシリーズに属するモデルであることを主張しているようにも見える。なお、ヘアライン仕上げを主体としたケースには要所にポリッシュによるミラー仕上げが施されており、全体のルックスにメリハリと高級感を生み出している。

防水性能は20気圧。搭載しているムーブメントはCal.9054で、最長約50時間のパワーリザーブと第2種耐磁を備えている。なお、今回のリリースでは、ベゼルのみにメッキを施したSSモデル Ref.NB6046-59Eと、ブレスを含めて全体にメッキを施したNB6045-51Hの2型が用意された。価格は前者が13万2000円(税込)、後者が13万7500円(税込)となっている。

ファースト・インプレッション
シチズンは同社のなかでも特に機械式時計に注力するブランドであるシリーズエイトから、2023年にFlyer GMT機能を搭載する880 メカニカルを22万円(税込)という価格でリリースした。2017年のチューダー ブラックベイ GMTの登場以来続いているFlyer GMT民主化の流れに、シチズンも合流した形だ(880 メカニカルについては、僕が去年、ジェームズが今年Hands-On記事を書いている。チェックして欲しい)。そして今回発売されるシチズン プロマスターのメカニカル GMTは、プロマスター SKYシリーズの正統進化というよりも、880 メカニカルに搭載されていたCal.9054を用いながら無骨なパイロットウォッチのパッケージで再構築したものだと僕は捉えている。

2003年のプロマスター エコ・ドライブ電波時計。

強いて言えば、メカニカル GMTは2003年にリリースされたプロマスター エコ・ドライブ電波時計を思い起こさせるデザインとなっている。針とインデックスの組み合わせにインナーベゼルの回転計算尺、リューズのローレット加工や特徴的なカッティングが入ったエンドピースなど、共通点は多い。だが、シチズンからのリリースには該当モデルの復刻やオマージュを匂わせる内容は一切見受けられない。直近のSKYシリーズを見てみても、デジアナ表示に43都市のワールドタイムを搭載し、それらをエコ・ドライブ光発電によって駆動させるハイスペックなモデルが目立っている。メカニカル GMTのデザインは、昨今の流れからするといささか唐突に見える。今作においてはプロマスター SKYシリーズのデザイン文脈を踏襲し、パイロットウォッチとしての“らしさ”を追求した結果、2003年のモデルに近いデザインに帰着したのではないかと考えている。

どちらかというとメカニカル GMTは、880 メカニカルに続く機械式GMTウォッチカテゴリの拡充に投じた一石としての意味合いが強いように思う。ムーブメントはそのままに、デザインの方向性や価格帯までも調整し、異なる層にアプローチをかけたというわけだ。880 メカニカルで特徴的だった情緒的な文字盤のあしらい(東京の夜景を表現したロマンチックなものだった)やツートンベゼルはその面影もなく、カラーと装飾を抑えたマッシブなデザインに終始している。

個人的には、この選択肢は非常に魅力的だと感じている。シチズンのFlyer GMTに価値を見出しつつも、880 メカニカルのコンセプチュアルなルックスがマッチしなかった人もいたのではないかと思っていた。(わかりやすいツールウォッチが好き、という僕の好みは置いておいても)シンプルなダイヤルデザインは、万人に受け入れられる受け皿として確実だ。また、税込で14万円を切る価格帯も注目すべきだろう。もちろんシリーズエイトは金属の表面仕上げに定評があるブランドではあるし、メカニカル GMTは固定式ベゼルのために第三時間帯まで表示できないといったデメリットもあるが、これまでFlyer GMTのベンチマークにされがちであったミドーのオーシャンスター GMTを大きく下回るプライスだ。GMTウォッチに求めるスペックが明確なら、メカニカル GMTは有力な候補となる。

ちなみに、個人的にはブレスまでブラックメッキで統一したRef.NB6045-51Hを推したい。リリースの画像では、サンレイダイヤルは控えめなグレーに見えるし、ダイヤル上の“GMT”表記やGMT針も全体に馴染むようモノトーンに抑えられている。まだGMT針の視認性にありがたみをおぼえるくらい旅をしていないからかもしれないが、視認性を重視する既存のSKYシリーズには見られないこのアプローチはかえって新鮮に映った。実際の色味がどうか、というところは実機で確認をしてみたい。

懸念すべきポイントがないわけではない。SKYシリーズとしては当たり前の寸法だが、直径44.5mmをどう捉えるかはあると思う。参考までに、ムーブメントを同じくする880 メカニカルは両回転式ベゼルを備えて直径41mmに収めていた(もちろん、880 メカニカルは10気圧防水でメカニカル GMTは20気圧防水と、ケースサイズはスペックにも反映されているのだが)。比較的小径が求められる昨今において、往年のパネライに迫るようなサイズ感は手首の上でどのように感じられるのだろう。写真を見た限りだがラグは短めに取られているし、厚みも12.7mmと少し控えめだ。より幅広い層に受け入れられる14万円以下のFlyer GMTにおいて、このサイズがどう影響するかは、タイミングがあれば追ってお伝えしたい。

基本情報
ブランド: シチズン プロマスター(CITIZEN PROMASTER)
モデル名: メカニカル GMT
型番:NB6046-59E、NB6045-51H

直径: 44.5mm
厚さ: 12.7mm
ケース素材: ステンレススティール
文字盤色: ブラック
インデックス: アプライド
夜光: 時分針、GMT針、インデックス
防水性能: 20気圧
ストラップ/ブレスレット: ステンレススティール

ケースバックには空のプロフェッショナルに向けて作られたことを主張する、パイロット用ヘルメットのイラストを刻印。

ムーブメント情報
キャリバー: 9054
機能: 時・分・秒表示、3時位置にデイト表示、GMT針による第二時間帯表示
パワーリザーブ: 約50時間(最大巻上げ時)
巻き上げ方式: 自動巻き
振動数: 2万8800振動/時
石数: 24

価格 & 発売時期
価格: 税込13万2000円(NB6046-59E)、税込13万7500円(NB6045-51H)

ウニマティックがブランド史上最小の時計、モデロ サンクをリリースした。

新しいU5S-AとU5S-ANは、ミラノブランドの特徴であるミニマルな雰囲気を維持しつつ、36mm径へとダウンサイズしている。モデロ サンクの新エディションはどちらも限定モデルで、スティールまたはブラックアウトされたDLCケースを持つ。

ウニマティックの最初の4モデルと同様、サンクはスポーツウォッチからインスピレーションを得ているが、必要不可欠な要素だけに絞っている。U5S-AはSSモデルで、U5S-ANはブラックアウトされたDLCバージョンのモデロ サンクである。文字盤は紛れもなくウニマティックで、これまでのほとんどのモデルと同様のデザインを採用している。

サテン仕上げのケース、マットブラックの文字盤、光沢のあるスケルトン針、大ぶりなリューズなど、モデロ サンクのすべてが、そのツールウォッチのインスピレーションを物語っている。36mmのケースの厚さは11mmで、ラグからラグまでは約44mm。ラグは比較的長めだが、手首にフィットするよう下向きへと傾斜がついている。スリムなベゼルと鋭い角度の見返しは、モデロ サンクの存在感をより大きくしている。フラットな風防の厚さは2.5mmで、ミドルケースの上に位置するベゼルに取り付けられているようだ。

モデロ サンクは、2万8800振動/時で時を刻み、約41時間のパワーリザーブを持つ自動巻きのセリタ製SW200-1を搭載する。そして、昨年モデロ サンクを発表したマッセナLABとのコラボレーションとは異なり、日付表示はない! どちらのモデルも日付は裏蓋の下に隠されている。

モデロ サンク U5S-A。

最後に、ほとんどの過去モデルに取り付けられていたストラップよりも優れるTPUラバーストラップが新たに導入された。テーパーがつけられてよりスリムになり、ラグからバックルまで22mmから20mmへと細くなっている。なおモデロ サンクには、追加のブラックレザーカーフスキンストラップも付属している。

SS製U5S-AとDLCコーティングのU5S-Aモデロ サンクはそれぞれ300本限定。SSの希望小売価格は840ドル(日本円で約12万6000円)、ブラックDLCは960ドル(日本円で約14万4000円)だ。どちらもHODINKEE Shopで購入可能である。

我々の考え
モデロ サンクU5S-AN。

以前からウニマティックの持つ雰囲気が大好きだったが、特にこれは今までで一番つけやすいモデロだ。

昨年、私がウニマティックを訪れたとき、ブランド共同設立者のシモーネ・ヌンツィアート(Simone Nunziato)氏は、このブランドのデザインの選択が、単にそれ自体のためのミニマリズムではないと説明してくれた。

「ミニマリズムはいい言葉ですが、だからと言って選んだわけではありません」とヌンツィアート氏。「ミニマリズムのためのミニマリズムではなく、これ以上必要ないからミニマリズムなのです」

自身の6.25インチ(約15.8cm)の手首につける。

モデロ サンクはこの精神を継承しており、より小さく、多くの人が身につけやすいサイズのケースとした。ダイバーズウォッチというよりはフィールドウォッチに近いが、以前のウニマティックでおなじみだった、ダイバーズ風の文字盤はそのままである。

正直なところ、ブラックアウトのDLCモデロ サンクは世界で最も読みやすい時計ではないが、見た目がかなりクールなのは認める。それでも私は、白いスケルトン針とインデックスが付いたSSのほうが好みだ。文字盤のデザインは見慣れたもので、もう少し実験的なデザインにして欲しかったとも思う。フィールドウォッチの美学に傾倒した小ぶりなケースサイズなら、アラビア数字を採用するなどして、ウニマティックがこの美学に傾倒したものをつくってくれていたらもっとよかっただろう。

ウニマティックは、時計の販売を絞って展開しているため、今後数年間でさまざまなデザインを試すことは間違いない。

もうひとつのうれしいアップデートは、新しいTPUラバーストラップだ。私はウニマティックが過去に発表した多くのモデルに付属していたラバーストラップが好きではなかった。あまりにもプラスチックっぽく、柔軟性がなく使い心地が悪かったのだ。新しいラバーストラップはそれらすべてを解決してくれた。ウニマティックはさらに、モデロ サンクを少しドレスアップ出来るよう、カーフスキンレザーストラップも追加している。

モデロ サンクは、この若いブランドによるデザイン重視のツールウォッチコレクションに加わる強力なアイテムだ。私のように、そのブランドをずっと好きだったが、少しかっちりしすぎていると感じていた人にはおすすめだ(だからといって、私が時計を買うのを止めたことはない)。限定のシンプルなブラックカラーはクラシックで、新モデルを介するのに適している。

モデロ サンクはこれまでのモデロよりもはるかに小ぶりで、今までのウニマティックとは一線を画している。軌道に乗った今、私はウニマティックがこのプラットフォームを使って、ブランドの確立された精神に忠実でありながら、新しいデザインにも挑戦して欲しいと思っている。

ウニマティック モデロ サンク。36mm径×11mm厚、ラグからラグまでの長さは44mm。ステンレススティールまたはブラックDLCケース。300m防水。自動巻きのCal.SW200-1、約41時間パワーリザーブ、2万8800振動/時、ハッキング機能付き。ブラックのTPUラバーストラップ(ラグ22mm、テーパー20mm)とブラックカーフスキンストラップ付属。モデロ サンクの限定モデルで、各300本限定。希望小売価格はSSが840ドル(日本円で約12万6000円)、ブラックDLCが960ドル(日本円で約14万4000円)

ジン レボリューションとコラボした暗闇で輝く新しいパイロットクロノグラフ。

レボリューションはジンとタッグを組み、イエローの夜光、スティールケース、クラシカルなベゼルなど、古いパイロットクロノグラフを比較的忠実に再現したクールな“ダークスター”を発表した。そして今回、両者は新しい(名前にやや矛盾があるかもしれない)“ブライトスター”をリリースした。ダークスターの製造量の倍にあたる300本が生産され、3600ドル(日本での入荷と価格未定)で入手可能なブライトスターには、数多くの魅力が詰まっている。

まず最初に、この新しい時計はよりモノトーンカラーでまとめ、43mmのSSケースはジン独自のテギメントテクノロジーで仕上げている。テギメントとは表面硬化の一種で、硬度(および耐傷性能)を標準的なSSの5倍にまで高めたものだ。テギメント加工されたこのSSはPVDブラックでコーティングされている。ほとんどの場合、SSに圧が加わるとひび割れや剥離、剥がれが生じることが多いため、(実用的にも審美的にも)特に優れた効果を発揮する。ベゼル、プッシャー、およびリューズも同様の加工が施されている。

今回の新作は両方向回転ベゼル、30分積算計、鮮明で読みやすい針、スーパールミノバインデックスを備えたパイロット用クロノグラフ(セリタ製SW510を搭載)だ。ダイヤルには(レボリューションのブランド名にふさわしい)明るく輝く星があしらわれており、サファイア風防を使用。ブンドストラップで提供されるほか、追加でNATOストラップも付属する。

この新しいジン 155S ブライトスターをひそかに見る機会を得たのだが、私がブラックケースの時計にどれほど心を奪われているか知っている人なら驚くことではないが、私の目を引いたことは確かだ。

Sinn x Revolution Bright Star
数人が時計を手に取るなか、新たにテギメント加工されたケースと、シリーズ史上初のサファイア、また完全にブラックアウトされた初の155モデルを評価していたのは私だけではないようだった。レボリューションはコーティングに力を入れているようで、最近リリースされたウニマティックとのモデルも注目されているようだった(そちらはもっと派手なブルーセラミックだが)。直径43mmと、確かに大ぶりだが、100mの防水性と大きくて読みやすいダイヤルを備えているため、目的に合わせてつくられたツールとして、空から海への移行がうまくいくはずだ(ただし、あまり早く移行する必要はない)。

基本情報
ブランド: ジン(Sinn)
モデル名: 155S レボリューションII(155 S Revolution II)

直径: 43mm
厚さ: 推定15.15mm(過去のリリースに基づく)
ケース素材: ブラックハードコーティングを施したステンレススティール(テギメント加工)
文字盤: ブラック
インデックス: アラビアインデックス、ミニッツトラック、両方向回転パイロットベゼル
夜光: あり、スーパールミノバ
防水性能: 100m
ストラップ/ブレスレット: ブンドストラップ(NATOストラップ付属)

Revolution Sinn Bright Star
ムーブメント情報
キャリバー: セリタ製SW510
機能: 時・分・スモールセコンド、クロノグラフ(30分積算計)
パワーリザーブ: 約56時間
巻き上げ方式: 自動巻き
振動数: 2万8800振動/時
石数: 27
追加情報: 高い耐磁性能

価格 & 発売時期
価格: 3600ドル(日本での価格未定)
発売時期: 発売中(日本への入荷未定)
限定: あり、世界限定300本