ファーラー リッサム コレクション 手巻き 38mmの新作情報です。

このシリーズは、従来のドレスウォッチの概念を覆す、鮮やかなカラーリングとスリムなデザインが特徴です。

手巻きなのでとても薄く、なんと7.95mm。

タグホイヤースーパーコピー代引き 優良サイトケース径は38mmなので男性でも女性でも楽しめます。

カラフルで洗練されたデザイン
「Lissom」は「しなやか」や「優雅」を意味し、その名の通り、厚さわずか7.95mmのスリムなケースが特徴です。38mmのステンレススチール製ケースは、ポリッシュ仕上げのベゼルとラグ、ブラッシュ仕上げのケースサイドを組み合わせ、エレガントな印象を与えます。また、ケースサイドには細いエングレーブラインが施され、スリムなプロファイルを際立たせています。

5つのバリエーションで、レザーストラップは1,295.00ドル、スティールブレスレットモデルは1,315.00ドルとなっております。

6月に発売で現在は予約受付中。

文字盤は、繊細なサテン仕上げと大胆なオーガニックカラーを組み合わせ、洗練されたエレガンスと意外性のある色使いを実現しています。シャープな放射状の数字と角度のあるテーパードハンドセットが特徴で、視認性とデザイン性を兼ね備えています。

手巻きムーブメント La Joux-Perret D100
「Lissom」コレクションには、スイス製の手巻きムーブメント「La Joux-Perret D100」が搭載されています。このムーブメントは、名高いPeseux 7001をベースにしており、3Hzの振動数と50時間のパワーリザーブを備えています。厚さわずか2.5mmのムーブメントにより、時計全体のスリムなプロファイルが実現されています。

5つのモデル、各モデルの特徴
「Lissom」コレクションは、著名な植物学者にちなんで名付けられた5つのモデルで構成されています。各モデルは、独自のカラーリングとデザインが特徴です。

Arber: ラズベリーレッドの文字盤にパープルのスモールセコンドとミニッツトラック、ピーチカラーのスモールセコンド針が特徴です。

Balfour: ホワイトの文字盤にウォームグレーのスモールセコンドとミニッツトラック、ブルーのアプライド数字(非蓄光)とホワイトのスーパールミノバを充填したブルーの針が特徴です。

Forrest: ティールグリーンの文字盤にブラックのミニッツトラックとピーチカラーの数字、ピーチカラーのスモールセコンドとオレンジの針が特徴です。

Lindley: ダークパープルの文字盤にパウダーブルーのサブダイヤルとミニッツトラック、ソフトピンクのスモールセコンド針が特徴です。

Solander: モノクロームのブラック文字盤にホワイトの針と数字、グレーのスモールセコンド針が特徴です。

各モデルには、文字盤のカラーにマッチしたスエードストラップが付属し、クイックリリーススプリングバーにより簡単に交換可能です。

価格と入手方法
「Lissom」コレクションの各モデルは、€1,350 / US$1,295 / £1,150で販売されています。Farerの公式オンラインストアで購入可能で、30日間の無料返品と5年間の保証が付いています。

Farerの「Lissom」コレクションは、伝統的なドレスウォッチに現代的なカラーとデザインを融合させた、洗練されたシリーズです。日常使いから特別な場面まで、幅広いシーンで活躍することでしょう。

新作 ― Lissom(リッサム)コレクションのご紹介

リッサム コレクションは、「ドレスウォッチとは何か」という既成概念を打ち破る時計たちです。通常、ドレスウォッチは伝統的なデザインと結びつけられがちですが、Lissom コレクションは、洗練されたカラーで構成された、現代的な5つのモデルを展開しています。
「Lissom(リッサム)」という言葉は、「スリムな」「優雅な」という意味を持ち、厚さわずか7.95mmの本作は、その名のとおりの美しさを体現しています。
ケースは一から設計され、控えめなエレガンスの極致となるように仕上げられています。業界最高水準「グレードA」の仕上げを施し、貴金属のような磨きの美しさを実現しました。
さらに、文字盤を囲むLumicast(ルミキャスト)製のアラビア数字は、これまでで最も明るく美しいものです。最新の蓄光素材「グレードX2 スーパールミノバ」を使用しています。
搭載されているムーブメントはスイス製の手巻き「La Joux-Perret D100」。名機Peseux 7001をベースに、18石、3Hzの振動数、50時間のパワーリザーブを備えています。ムーブメントは最上級グレード「ソワニエ(soigné)」仕上げで、青焼きネジも使用されています。
価格は £1,150 / \$1,295 / €1,350 です。

なんか良いんです。

気になりますよね。

ムーブメントはシチズングループ傘下のラ・ジュー・ペレ製。

ETAプゾー7001をベースにしているスイス製の手巻きムーブメント キャリバーD100で、パワーリザーブは50時間ほど。

ロービートでスモセコ・ノーデイトなのがレトロなんですが見た目のポップさが新鮮。

Lindley

リンドリー
リソム
1,295.00ドル
質感のある紫色の文字盤とコントラストのある淡いブルーのサブダイヤルを備えたスリムな 38 mm 腕時計。

ストラップ
パープルスエードレザーストラップ

ケースサイズ: 38mm x 42.8mm x 7.95mm
ケース素材: 316Lマリングレードステンレススチール
耐水性: 50m / 5ATM
ムーブメント:スイス製ラ ジュー ペレ D100。 LJP最高のソワニ基準に準拠した手巻きキャリバー
パワーリザーブ:完全に巻き上げられた状態で約50時間

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パープルパーフェクション
リンドリーは、数千年にわたり王族と結び付けられてきた色、紫を基調としています。文字盤自体は、よりクラシックな単色よりも際立った、鮮やかな色合いでありながら、派手になりすぎないデザインです。しかし、この時計は色彩のために視認性を犠牲にすることなく、鮮明な白い針と数字を備えています。どちらも最新かつ最も明るいスーパールミノバ グレードX2を採用し、数字は精巧な3D成形ルミキャストシェイプです。濃い紫色を背景に、沈み込んだパウダーブルーの秒針と淡いピンクの秒針が配されています。このピンクのディテールは、数字を囲む両方のミニッツトラックにも反映され、外側のミニッツトラックは沈み込むことで文字盤にさらなる奥行き感を与えています。

ご想像の通り、この洗練された文字盤は傷に強いサファイアクリスタルで保護されています。そして、驚くほどスリムな38mm径のスティールケースは、最高級の「グレードA」基準で仕上げられています。これは通常、最高級のスイス製時計にしか見られないものです。ケースの厚さはわずか7.95mmと非常に薄く、曲線を描くラグが手首にぴったりとフィットします。

これらすべてが、この時計を現代の洗練の真髄にふさわしいものにしています。手首に違和感なく収まるほど洗練されたデザインでありながら、自信に満ちた印象を与える大胆な文字盤、そしてあらゆる要素に卓越した仕上げが施されています。

Balfour

バルフォア
リソム
1,295.00ドル
ホワイトのテクスチャ文字盤とコントラストのグレーのサブ文字盤を備えたスリムな 38 mm 腕時計。

ストラップ
デニムスエードレザーストラップ

ボルト・オブ・ブルー
バルフォアは、シンプルさが豊かさを生む完璧な例です。ジャスミンホワイトの文字盤に、アワーマーカーがアクセントを添えています。これらのアプライド数字は鮮やかなエレクトリックブルーで仕上げられ、ニュートラルな文字盤と見事なコントラストを生み出します。先細りの針も同色のブルー仕上げで、最新(そして最高輝度)のグレードX2スーパールミノバが塗布されています。両インデックスともポリッシュ仕上げのブルーの表面は、光の加減に合わせて色を変化させ、非常にダイナミックな印象を与えながらも、常に高い視認性を保ちます。6時位置には、文字盤のメインカラーと調和する温かみのあるグレーのサブセコンドダイヤルが配され、数字の両側には、同じグレートーンにブルーのハイライトが入ったデュアルミニッツトラックが配置されています。

Arber

アーバー
リソム
1,295.00ドル
テクスチャ加工されたラズベリー色の文字盤とコントラストの効いた紫色のサブ文字盤を備えたスリムな 38 mm 腕時計。

ストラップ
ラズベリーレッドスエードレザーストラップ

ラズベリーリップル
アーバーは、手首に自信に満ちた印象を与える深みのあるラズベリーレッドの文字盤で、心を揺さぶります。凹んだパープルのサブセコンドダイヤルとミニッツトラックがこの深みのある色を引き立て、ライトピーチの秒針がさりげないアクセントになっています。鮮やかな色彩と見事なコントラストをなすのは、純白のアプライド数字とエレガントなテーパード針です。数字にはスーパールミノバとセラミックをブレンドしたルミキャストが使用され、文字盤と針には最新のグレードX2スーパールミノバが使用されています。印象的な色使いが特徴のアーバーは、エレガントであると同時に印象深い魅力も備えています。

Solander

ソランダー
リソム
1,295.00ドル
ブラックのテクスチャ加工文字盤とコントラストグレーのサブダイヤルのディテールを備えたスリムライン 38 mm 腕時計。

ストラップ
ブラックスエードレザーストラップ

マルチレベルモノクロ
ソランダーは、多彩なモノクロームカラースキームによって、時代を超えたスタイルを提供します。ダークグレーのグレインダイヤルにブラックのミニッツトラックがプリントされ、その上にライトグレーのハイライトが施され、繊細なコントラストが溢れています。サブセコンドダイヤルも同様で、全体を貫くように鮮やかなホワイトの針とマーカーが輝きます。これらの数字は、スーパールミノバとセラミックをブレンドしたルミキャスト製です。丁寧に成形されてから貼り付けられる、私たちがこれまでに生み出した中で最も繊細なルミキャスト形状です。また、数字と針の両方にグレードX2スーパールミノバが使用されているため、標準グレードのスーパールミノバよりも80%以上長持ちし、最も明るい輝きを放ちます。

フォレスト
リソム
1,295.00ドル
質感のあるティール色の文字盤とコントラストのあるサンドカラーのサブダイヤルを備えたスリムな 38 mm 腕時計。

ストラップ
ブラウンスエードレザーストラップ

ティールのタッチ
フォレストは、ファーラーを象徴するティールとオレンジのカラーコンビネーションを採用しています。印象的な色彩でありながら、着け心地も抜群です。粒状のティールダイヤルは、精巧に仕上げられたルミキャストの数字を美しく引き立てます。鮮やかなホワイトのマーカーには、最新のグレードX2スーパールミノバが使用され、先細りの光沢のあるホワイトの針にも同様の塗料が塗布されています。ダイヤルには、ライトピーチのサブセコンドダイヤルがセットされ、ティールのミニッツトラックと鮮やかなオレンジ色の秒針が配置されています。ピーチカラーはミニッツトラックにも反映され、繊細なホワイトの数字へと視線を誘います。また、外側のミニッツトラックは窪みを持たせることで、ダイヤルにさらなる奥行き感を与えています。

まとめ

いかがでしょうか。

「【2025年新作】ファーラー リッサム コレクション 手巻き 38mm」でした。

映えて、薄くて、ちゃんと本格派。

Farerの新作「LISSOM」は、ドレスウォッチの常識をくつがえす一本です。

スリムで上品なのに、カラーはどれも個性的でおしゃれ。クラシックだけど、ちゃんと今っぽい雰囲気もあります。

ケースサイズは38mm、厚さはわずか7.95mmとかなり薄くて、シャツの袖にもスッと収まります。
中身にはスイス製の手巻きムーブメントを搭載していて、見た目だけじゃなく中身もしっかり本格派ですね。

ラズベリーレッド、ダークパープル、ティールグリーン…と、どのモデルもカラーリングが魅力的。
ファッションの一部として楽しめる、新しい感覚のドレスウォッチになっています。

「ドレスウォッチってちょっと地味かも」と思っていた人にも、ぜひ見てほしいシリーズです。

時計ライター・堀内俊の「思い入れのある1本」は「レベルソ・ムーン」

ジャガー・ルクルトスーパーコピー代引き 優良サイト「レベルソ・ムーン」とのなれそめ
話は少しさかのぼる。件の時計フェアの1~2年ほど前より筆者は、ゼニスの「クラス・エルプリメロ」、ノモス グラスヒュッテの“ルートヴィヒ(あえてこう書かせてもらいたい)”、ジャガー・ルクルトの「レベルソ・メモリー」や「レベルソ グランスポール・クロノグラフ」などを入手し、時計ヲタク道をまい進していた。そんなある日、フラッと寄った某百貨店の時計売り場で、手首に「レベルソ・デイト」を巻いた担当の方に「こういうのがあるんですよ」と言われて出されたのが18KPGの「レベルソ・サンムーン」だった。カチャッとケースが裏返されたそこには、チラネジ付きのテンワが揺らめく、神々しきCal.823の姿があった。いや本当に神々しいと思ったのだ、その時は。

ギュンター・ブリュームライン体制のもと1991年にグランタイユというケースサイズで復活した「レベルソ」は、以降、多くの複雑機構搭載モデルを矢継ぎ早に出す。当時の、そんなラインナップの中にあったのがレベルソ・サンムーンだ。18KPGと18KWGの2種類のケースがあり、18KPGは白文字盤、18KWGは黒文字盤で、レギュラーのレベルソでは当時唯一Cal.823(822)がトランスパレントバックから拝めるモデルであった。このムーブメントに魅せられてから、サンムーンがどうしても頭から離れない。ただ「18KPGで黒文字盤だったら最高にカッコいいのになあ(18KWGと18KPGをいつか両方入手して入れ替えればいいのでは、と夢想していた……“アガリ”はいったい何処へいったのか)」などと思っていたところ……

冒頭に記した夏の時計フェアの時に戻る。「これはまさに18KPG黒文字盤のレベルソ・ムーン、そして裏返すとあの神々しきCal.823が!」

レベルソ・ムーン ジャガー・ルクルト 銀座和光 

レベルソ・ムーン 2003年、銀座和光50本限定 GTケース(18KPG)。手巻き(Cal.823D)。23石。2万1600振動/時。定価160万円(当時)。
夢想したすべてが手に入る時計(聖杯)があの夏の日、目の前に表れたのだ。完全に予想外である。舞い上がったこの気持ちは、時計ヲタクの皆様なら共感していただけるのではないか。思い返すと当時は次の時計で“アガリ”にするべく金無垢の時計を物色中で、パテック フィリップ「カラトラバ 5120」やショパールの「L.U.C 1860」などをその候補として思い描いていたが、一気にそれらは吹き飛んだ。「キープしておいてほしい」とお願いし、冷静になろうとランチを取るも、あの姿が頭から離れない。食べ終わるとそのまま銀行に直行し、札束をもって百貨店に戻った、というのがこの時計とのなれそめだ。

「レベルソ・ムーン」とは?
さて、全身全霊でこの時計が好きな筆者であるためアバタもエクボなのを断りつつ、この時計の成り立ちやディテールを記す。

A面のディテール
レベルソ・サンムーンからパワーリザーブ表示を除き、サンムーンの代名詞であったデイ/ナイトディスクをセンターに配して24時間針表示としたものがレベルソ・ムーンである。この昼夜が分かる機能というのはとても大事だ。なぜならムーンディスクを、1日分送るためのギアが噛む夜間に調整しようとすると機械にダメージを与えるため、調整可能な時間を目視でユーザに伝える必要があるからだ。特にこの頃のジャガー・ルクルトはユーザフレンドリーであり、例えば「レベルソ・クロノグラフ」は裏面でクロノグラフが動いているのか止まっているのかをA面のみで分かるようにしてあるなど、機能をデザインに昇華したものが多かった。これは1モデル1ムーブメントという、今ではあり得ない姿勢で開発から製品化までほぼすべてを自社で完結できたジャガー・ルクルトの大きな特徴だったといえよう。

実は本モデルの前段で、WEMPE(ヴェンペ)限定レベルソが存在する。創業125周年記念にちなんだ限定125本、うち100本はSSケースで25本が18KPGケース、いずれも文字盤は白、インデックスはゴシックのアラビア数字であった。搭載される機械はサンムーンのCal.823の小改造版である“Cal.823D”、これは当初この限定モデルのために開発されたはずであり、もちろんケースバックから機械を拝めた。写真はぜひ“Reverso Wempe 125 jahre”などで検索して確かめて欲しい。

当時のジャガー・ルクルトはショップの限定モデルなどかなり柔軟に対応しており、Wempe限定モデルはこれ以降も出たし、和光別注モデル、さらに国内では有名な西武限定「ビッグレベルソ」やアワーグラス別注など多くの限定モデルが存在しており、その全貌は筆者も知りえない。

話をレベルソ・ムーンに戻す。ケースはグランタイユサイズの18KPG製。当時のレベルソのケースはいわゆる第3世代でカッチリとした作りであり、このモデルも例に漏れない。クレードルの手首と接する部分は精緻なヘアライン仕上げであり、ここに記される「RVERSO」のロゴや、限定モデルであることを表す「Série Limitée」、そしてリファレンス番号や個体番号などは薄いエッチングによるもので、角度をつけて光の反射を利用しないと、はっきりと視認できないところがむしろ個人的には気に入っている。なおクレードルの時計側の面は、現在のレベルソはサンレイ模様が施されたモデルが多いが、当時の標準はすべてペルラージュ仕上げであった。

レベルソ・ムーン ジャガー・ルクルト 銀座和光 

クレードル裏側は精緻なサテン仕上げであり、薄く「REVERSO」などとエッチングの文字が確認される
時計本体の文字盤は黒色のラッカー仕上げであり、インデックスは白のフローラル数字でチャーミングである。当時のラインナップでは、黒文字盤のレベルソは貴金属ケースが主体であり、インデックスはフローラル数字を基本としていた。24時間針も含め針はすべてPGで、時分針は白のペイントがあしらわれているが、これは蓄光塗料ではない。なお前述した「PGとWGのサンムーンの文字盤と針を入れ替え」ようとしても、PG黒文字盤は実現するが針がWGのため色が合わないことに後年気が付いた。

ムーンディスクは漆黒の黒文字盤の中だと濃紺色が際立っており、プレーンにポリッシュされた月が反射する光は、まさに月光である。ムーンディスクの月がない部分は、よく見れば星の並びが北斗七星となっており、ここもお気に入りのポイントだ。

B面のディテール
レベルソ・ムーン ジャガー・ルクルト 銀座和光 

この神々しい御姿を見よ。この機械はCal.818→Cal.824(ここまで毎秒5振動)→Cal.822(823;毎秒6振動)と進化してきた角型の名機である。現在のCal.822A/2はチラネジなしのテンワにフリースプラングと進化し、ガンギ車の受石の耐震装置とキャップドジュエルが省かれて、19石となった。
それではB面を見てみよう。レベルソのしきたりにならい、ケースをA面から見て9時サイドから3時方向に押し出して反転させ、またA面3時方向にスライドして元に戻すと、そこにはチラネジ付きのテンワとトリオビス緩急針を備えた、Cal.823Dがお目見えする。通常のCal.822とは異なり、一部青ネジに変わるなどしている部分もあって、観賞されることを想定したアクセントとなっている。

機械については、設計は同じもののマシニングによる自動加工比率が高まった現在のCal.822と比べると、どこか緩くて柔らかい印象のブリッジ類の仕上げを持つ。決してバキバキでもなく、またエッジを手仕上げでポリッシュしているわけでもないが、私はこの機械がたまらなく好きなのだ。毎秒6振動であることも美徳である。ああ、堪らない。

ケース以外のディテール
レベルソ・ムーン ジャガー・ルクルト 銀座和光 

バックルは片開きの18KPG製である。内側の「JaegerLeCoultre」の刻印が鮮やかだ。尾錠部分の「JL」ロゴは後年天地が反対になるので、ここでバックルの製造年はある程度見極められる。細かいが片開きのフォールディングバックルには、前期型と後期型があるのだ。
バックルももちろん18KPGで、しばらくはこの片開きのものが標準であった。18Kの金無垢なのでそれなりに質量があるも、時計本体も大きさの割に重めであり、装着時のバランスは若干トップヘヴィだが、そんなことはどうでもいいのである。なぜならこの時計が自分のものになって20年以上経つのだが、いまだに普段使い出来ないのだ。結果的に、自分で言うのも何だが、極めてコンディションは良いし、定期的にオーバーホールも実施していて機械の調子も良い。なお現在のストラップはオーダーでショートのクロコにリプレイスしているが、オリジナルもクロコの竹符であった。

後年、レベルソのデザイナーでありデザインを統括することになるヤネック・デレスケヴィクス氏が来日した際に「ご自身でデザインした一番好きなレベルソは何か」と聞いたら「レベルソ・ムーン(サンムーンのことを指していた可能性も十分にある)」という答えが返ってきたことも、ここに記しておく。

レベルソ・ムーン ジャガー・ルクルト 銀座和光 

リストショットというかポケットショットはやはりカジュアルよりも堅めの装いのほうが似合う。ただし本当のフォーマルにはPGも黒文字盤もご法度だというならば、この時計の本来の用途は「夜の遊び用」なのではないだろうか。ナイトウォッチ。

実際にこの時計を入手して、どうなったのか
このようなインパクトのある出会いとときめきは、趣味の初期段階ほどの、強い衝動ではないか。

時計趣味の“アガリ”などを考えていた当時、この時計を入手したことでひと段落したなどということは毛頭なく、むしろ加速したというのが実際のところである。時計全般、特にジャガー・ルクルトを深く好むようになり、さらに深淵なる時計の世界にのめり込み、細々ながらもコレクションも増え、徐々に節操がなくなり今に至る。

永く同じ趣味をやっていると徐々に刺激が少なくなり、どんどん過激な、あるいは未知の領域に向かうのが常ではないか。また期間が長いとそこには波があって、時計の世界に密接なる時期も、やや離れていることもあるものの、時間とともに付き合い方やスタンスは徐々に変化していきながらも未だ時計を趣味としている。そのなれの果てが今の筆者ということになろうが、こうしてwebChronosにこの時計をはじめ、さまざまなインプレッションなどを書いていることを考えると、結局それで良かったのではないかと思う。

レベルソ・ムーン ジャガー・ルクルトコピー代引き 優良サイト 銀座和光 

常々皆様に読んでいただく記事を書くということに対しては、どこまでできているかは自信がないものの極力フラットかつ独自の視点からブラさずに書こうと考えている。ただしこの時計に関しては、世間的な評価などは挟み込まれる余地はなく、ただただ好きで気に入っているという感情のみだ。この時計に関する体験や心情の変化など現象そのものを、時計という物質ではあるが、ある種の聖杯のように崇めているとさえ言えるかもしれない。

結果としてレベルソ・ムーンは、当時は“清水舞台”で入手したと思ったものの、筆者にとってすべてを肯定することができる時計人生を歩ませてくれた羅針盤だったのではないか。そのムーンフェイズがちゃんと合わせられていたことは、共に歩んだこの二十余年で、ほとんど無かったとしても。

タグ・ホイヤーが2025年にF1公式タイムキーパーに復帰、

機械式ストップウォッチから電子計時システムへ
F1世界選手権のルーツは第2次世界大戦前に設けられていた世界メーカー選手権(1925-1930年)およびヨーロッパドライバー選手権(1931-1939年)。1947年にレギュレーションが固まったが、自動車レースが初開催されたのは1950年。ちなみに、最初に公式計時を担当したのはロンジンであった。

今は、電子計時システムが小さなカートレース場にまで普及していて、タグ・ホイヤースーパーコピー代引き安心各車の順位や周回ごとのラップタイムまで、リアルタイムで分かるのが当たり前だ。ところが当時は機械式時計の時代。だからF1の計時に使われていたのも当然のことだが、機械式ストップウォッチであった。公式計時といっても予選後やレース後に公式記録としてペーパーが配られるだけ。

ところがレースで勝つ、ひとつでも良い順位でゴールするためにはレース戦略が不可欠。そして、そのために欠かせないのが自車やライバル車のラップタイムのデータだ。自チームのマシンは1周何分何秒で走っているのか? 前後を走るライバルのマシンは1周何分何秒で、どのくらいタイム差があるのか? 何周で追いつくのか? 何周で追い付かれるのか? ラップタイムが計測できなければ、レース戦略は作れない。そして当時、ラップタイムの計測を行っていたのは、チームスタッフやドライバーの恋人や奥さんたち。木の板に何個もストップウォッチを取り付けて何台ものマシンのタイムを同時に、かつ正確に計測するためには、かなりの熟練が必要だった。

ドライバーが自分の感覚以外でこうした情報を知ることができるのは、チームのマシンがホームストレートに戻ってきたときに読む、ピットクルーの出すサインボードの数字だけ。すべてが機械式で人頼みだった時代。だが1970年代初頭、タグ・ホイヤーが公式計時に革命を起こした。電子計時システムの開発と導入だ。

フェラーリに納入した電子計時システム「センチグラフ」
F1の電子計時システムの導入・進化・発展は、1970年代初頭、時計界とレース界のVIPだった、ホイヤー社のジャック・ホイヤー氏と、ワークスレーシングチームのスクーデリア・フェラーリ(フェラーリ社)の総帥エンツォ・フェラーリ氏のふたりの握手から始まった。

ジャック・ホイヤーとエンツォ・フェラーリ

写真中央手前がジャック・ホイヤー氏、写真右がエンツォ・フェラーリ氏。ジャック・ホイヤー氏は1960年代からF1やスポーツカーレースの現場に足を運び、世界のトップドライバーやトップチームと親交を結び、ビジネスを発展させてきた。
1966年、タグ・ホイヤーの前身であるホイヤー社は世界初のデジタル計時装置「マイクロタイマー」を開発。1971年には、当時の社長ジャック・ホイヤー氏がスクーデリア・フェラーリチームの総帥エンツォ・フェラーリ氏と交渉し、ホイヤーが開発した最新の光電管を使った電子タイム計測システム「センチグラフ」をル・マン24時間レースのピット、さらにフェラーリF1チームのピットや、プライベートサーキット・フィオラノに納入する。これがF1レースに電子計時システムが導入される最初のきっかけだった。

そしてこのセンチグラフこそ、現在のレース計時システム、自動車両識別計測システム(Automatic Car Identification Timing System=略称ACIT)のルーツだ。つまり、タグ・ホイヤーはレース計時の世界に革命を起こしたのである。

センチグラフ

センチグラフは、アルミニウムのケースに収められるコンパクトなシステム。そして、このシステムの運用を担当したのが、フェラーリチームで「ピアニスト」と呼ばれたホイヤーの社員、ジャン・カンピチェ氏だ。氏はモータースポーツチームとともに世界中を飛び回った。
ジャック・ホイヤー氏はもともと、スイス連邦工科大学チューリヒ校を卒業した電子工学系のエンジニアであった。ただ、大学で半導体について学ぶことはなかったという。とはいえ、クロノグラフやストップウォッチのトップメーカーの経営者として1960年代からレースの現場に足を運び、トップチームやトップドライバーとの交流も深かったから、計時システムの必要性を誰よりも理解していた。そして、レースの公式計時に以前から疑問と不満を持っていたエンツォ・フェラーリ氏にシステムを売り込み、提供したのだ。

ジャック・ホイヤー氏の自伝によれば、エンツォ・フェラーリ氏は当時ル・マン24時間レースのために、独自の計時システムを求めていた。そして1970年12月、ジャック氏はエンジニアとともにイタリア・マラネロのフェラーリ工場を訪れて、ル・マン24時間レースのピットにおけるフェラーリのピットクルーのための計時システム「ル・マン・センチグラフ(=センチグラフ)」の開発と導入を提案した。だがこのとき、エンツォ氏は装置を無償で提供するように求めたという。そしてジャック氏は、息子のピエロ・フェラーリ氏と計時装置を無償で提供する契約を交わした。

さらにエンツォ氏はジャック氏にレースの資金援助を求め、ホイヤーが契約ドライバーのふたりにそれぞれ年間2万5000スイスフランを支払うこと、その代わりにレーシングスーツの右胸上にホイヤーのロゴワッペンを付けることで合意する。これは、時計ブランドがF1チームをスポンサードする最初のケースになった。そして1971年春、F1シーズンが開幕すると、各チームがフェラーリのピットに設置された何台ものマシンのタイムを同時に、かつ正確に計測できるセンチグラフの画期的な機能に驚愕し、競って導入することになったという。

1992年から2003年までF1の公式タイムキーパーに
さらにBMWがドイツ・ミュンヘンのテストコースに64個の光電管を使い、コースを細分化してマシンのスピードをより精密に計測できるセンチグラフをオーダーしたことを知ると、エンツォ氏はホームサーキットとして建設中だったフィオラノに同様の、さらに高度な分析ができるシステムを無償で設置してほしいと要望する。そこでホイヤーは、以前の契約と同様に、マシンやドライバーのレーシングスーツにホイヤーのロゴを2年間付けることを交換条件に設置を承諾。1972年秋にフィオラノの開場とともにこのシステムが稼働すると、マシン開発に大いに貢献する。

そしてフェラーリチームは1974年、それまでの不振が嘘のような速さを取り戻し、F1を席巻する。1975年にはニキ・ラウダがドライバーズ選手権、チームがマニュファクチャラー選手権のダブルタイトルを獲得している。

ホイヤーとのスポンサー契約にサインするニキ・ラウダ(写真左)。彼は1974〜77年にフェラーリチームに在籍し、1975年と1977年に2度のF1ワールドチャンピオンに輝いた。中央が当時、ホイヤーの社長だったジャック・ホイヤー氏。おそらく1974年の写真と思われる。
こうした歴史を振り返ると、タグ・ホイヤーとF1レースがなぜ“切っても切れない”関係なのか、分かっていただけると思う。

その後、1986年から2015年に至るマクラーレンとの伝説的なパートナーシップを築き上げ、さらにジャック・ホイヤー氏のリーダーシップによって、タグ・ホイヤーは1992年から2003年までFormula 1®の公式タイムキーパーを担う。

こうして、ホイヤー(現タグ・ホイヤー)をルーツとするレースの電子計時システムは、進化・発展を遂げて現在に至っている。そんな背景を持つタグ・ホイヤーが、Formula 1®創設75周年を迎える2025年、22年ぶりにF1公式タイムキーパーに復帰する。

腕時計界の中でもユニークなデザインのモデルを多数ラインナップするブランドだ。

ラドー以外考えつかない!? チェス盤のような腕時計
トゥルースクエア オープンハート リミテッドエディション width=

市松模様のようなスケルトン文字盤の奥に配されたムーブメントには、ペルラージュなどの各種装飾が施されている。
ラドーは明らかに独特の世界観を持つ腕時計ブランドだ。セラミックスを腕時計の世界に導入したパイオニアであるこのブランドは、我が道を突き進んでいる。ラドーは他のブランドに惑わされ、道を踏み外すことはない。この独自路線は、オリジナリティあふれるユニークな腕時計を生み出す原動力となっているのだ。「トゥルースクエア オープンハート リミテッドエディション」は、そんなラドーのどんな腕時計よりも、タグホイヤースーパーコピー 代引き輪を掛けてユニークである。

トゥルースクエア オープンハート リミテッドエディション

両開きバックルが採用されたセラミックス製のブレスレット。
まるでチェス盤のように、ブラックとホワイトのセラミックスを組み合わせた文字盤とケースが特徴的なこのモデル。ブレスレットも同様に、ブラックとホワイトのセラミックスを組み合わせたものだ。なおブラックがメインになるモデルと、ホワイトがメインになるモデル、2タイプがラインナップされている。

百聞は一見に如かず! セラミックスの素晴らしさ
セラミックス製ブレスレットを着用したことがあれば、この素材の着用感の素晴らしさを知っていることだろう。感触はソフトなうえに、体温ですぐ温かくなり、そして非常に軽量な素材なのである。また、優れた耐傷性もこの素材のポイントだ。ラドーは腕時計業界における、セラミックスのパイオニアである。それゆえ、豊富な経験や特別な技術、そして専用の生産設備を有しており、特筆に値するブランドだ。

スケルトン仕様のチェス盤という、超個性派仕様
もし一般的なブラック、もしくはホワイトの文字盤だったならば、本作は普通の腕時計となってしまっただろう。だが、ラドーはそんなことをしない。チェス盤のように、ブラックとホワイトで文字盤を分割したのだ。アワーインデックスには、ブリリアントカットが施されたダイヤモンドが採用されている。豪華に思えるかもしれないが、この腕時計の他の要素があまりにも派手なため、ダイヤモンドであっても驚くほどさりげなく見えてしまう。

ラドーはこの腕時計がより映えるものにするために、文字盤にはスケルトンを採用した。文字盤から透けて見える機械式ムーブメントのテンプや輪列、香箱といったさまざまな要素とその仕上げは、独特なデザインの本作を、より引き立てていると言えるだろう。

市松模様×スケルトン。それが導き出すものは超個性派腕時計である。個性的なデザインのために、正直なところ針がどこを指しているのかは分かりづらく、視認性に優れているとは言えない。だが、本作は計時装置というよりもラドーの世界を体験する腕時計なのである。視認性よりも重要なものはあるのだ。

丁寧な仕上げが見どころのCal.R734
トゥルースクエア オープンハート リミテッドエディション

トランスパレント仕様の裏蓋から鑑賞できるムーブメント、Cal.R734のローターには、コート・ド・ジュネーブが施されている。
搭載するムーブメントはラドーのCal.R734。ETAのCal.C07.111をベースとした、1時間に2万1600振動するムーブメントだ。パワーリザーブは約80時間保持。文字盤側、裏蓋側、どちらからもムーブメントを眺めることができ、コート・ド・ジュネーブや、ペルラージュといった装飾が施されている。

男性にだって持ってこいの腕時計
トゥルースクエア オープンハート リミテッドエディションは女性向けモデルとして市場に投入されているように見受けられる。だが、ケースの横幅は38mmであり、サイズ的に男性が使用する分にはまったく問題はない。その作りはとても良く、ラドー独自の技術が活かされているうえに、ラドーが持つ世界観を十二分に表現したモデルだ。各仕様はそれぞれ世界限定888本であり、販売価格は49万3900円(税込み)だ。

トゥルースクエア オープンハート リミテッドエディション
ラドー「トゥルースクエア オープンハート リミテッドエディション」Ref.R27086752
自動巻き(Cal.R734)。25石。2万1600振動/時。パワーリザーブ約80時間。セラミックケース(縦44.2×横38mm、厚さ9.7mm)。5気圧防水。49万3900円(税込み)。
トゥルースクエア オープンハート リミテッドエディション
ラドー「トゥルースクエア オープンハート リミテッドエディション」Ref.R27073752
自動巻き(Cal.R734)。25石。2万1600振動/時。パワーリザーブ約80時間。セラミックケース(縦44.2×横38mm、厚さ9.7mm)。5気圧防水。49万3900円(税込み)。

オメガ 「スピードマスター」を中心にオススメを紹介

オメガのクロノグラフモデルに再注目
幅広いコレクションを擁するオメガの中でも、見逃すことができないのがクロノグラフモデルだ。「オメガのクロノグラフ」と言えば、NASAが宇宙での活動用として正式に認定した「スピードマスター ムーンウォッチ」が最も有名であり、腕時計の歴史から見てもアイコニックピースと呼んで差し支えない。今回は、スピードマスターの歴史を振り返りつつ、それ以外のクロノグラフモデルにも注目して紹介してゆこう。

「スピードマスター ムーンウォッチ」Ref.310.30.42.50.01.002
オメガスーパーコピー代引き 優良サイト「スピードマスター ムーンウォッチ プロフェッショナル」Ref.310.30.42.50.01.002
オメガ「スピードマスター ムーンウォッチ」Ref.310.30.42.50.01.002
手巻き(Cal.3861)。26石。2万1600振動/時。パワーリザーブ約50時間。SSケース(直径42mm、厚さ13.2mm)。50m防水。123万2000円(税込み)。
オメガに限らずとも、クロノグラフを紹介するうえで外すことができないのが「スピードマスター プロフェッショナル ムーンウォッチ」である。NASAは1965年にスピードマスターに対して有人宇宙飛行と船外活動(EVA)での使用の認定を与え、スピードマスターは宇宙へと正式に携行された時計として広く知られることとなった。この点について少し深掘りしよう。

アメリカ合衆国第35代大統領ジョン・F・ケネディは1961年5月に「10年以内に人間を月面に着陸させ、安全に地球に帰還させる」アポロ計画を発表する。一方、この時点でのアメリカは、計画を完遂するのに十分な技術を持っているとは言い難く、その間を埋める計画としてジェミニ計画が1961年から開始される。そして、ジェミニ計画の中で制定された腕時計に対する要求仕様への適合性試験に、唯一耐えたのがオメガのスピードマスターであったのだ。1965年の試験結果報告書には「オメガの腕時計(スピードマスターを指す)はジェミニ宇宙船用として承認された」と明記されている。

1965年にスピードマスターがNASAから認定を受けた際に発行された試験結果報告書。”the Omega wristwatch is accepted for Gemini spacecraft.”と記されている。
そして、スピードマスターが非常に重要な役割を果たす瞬間が訪れる。アポロ13号の乗組員の生死を分けた14秒である。アポロ13号は月への航行中に爆発事故に見舞われ、酸素、水、電力の多くを喪失してしまう。地球帰還時の最後の電力を温存するため、軌道修正のためのエンジン噴射時も、宇宙飛行士たちは自動制御の助けなしで、手動で正確に行わなければならなかった。そして、この生死を分ける噴射時間の14秒を測り取ったのが、宇宙飛行士達の手首に巻かれたスピードマスターであったのだ(映画『アポロ13』の中で詳細に描かれている。スピードマスターファンは必見である)。

さて、2021年に刷新された現在のスピードマスター プロフェッショナル ムーンウォッチは、伝統的なデザインを継承しながら、さまざまな進化を遂げたモデルだ。その進化の、最も象徴的なものがマスター クロノメーター化された手巻きクロノグラフムーブメントのCal.3861である。大まかに、等時性向上とメンテナンス間隔の延長、耐磁性能、耐衝撃性能の向上が、コーアクシャル脱進機の採用をはじめとしたさまざまな改良によって実現されている。METAS(スイス連邦計量・認定局)によるマスター クロノメーター認定を受けているということは、1万5000ガウスの磁場にさらされた場合でも精度を維持すること、パワーリザーブ残量による精度の変動が小さいことなどの項目について、ムーブメント単体の状態とケーシング後の状態で、全数検査されていることを意味する。実用精度の観点で、最も頼もしい認定のひとつと言えるだろう。そのほか、従来モデルに対してブレスレットは細身に改められ、クラシカルな印象が与えられただけでなく、サイズの小さなリンクによって着用感の向上も図られている。

「伝統を継承しつつ最新の性能を備える」という筆者の考えるオメガのスタンスを色濃く反映している点も魅力である。オメガを代表し、クロノグラフを代表する1本として、もう一度注目してみてほしい。

「スピードマスター ファースト オメガ イン スペース」Ref.310.30.40.50.06.001
オメガ スピードマスター 310.30.40.50.06.001
オメガ「スピードマスター ファースト オメガ イン スペース」Ref.310.30.40.50.06.001
手巻き(Cal.3861)。26石。2万1600振動/時。パワーリザーブ約50時間。SSケース(直径39.7mm、厚さ13.4mm)。50m防水。121万円(税込み)。
スピードマスター ムーンウォッチは、NASAが宇宙での活動用として初めて認定したモデルをベースとしている。では、初めて宇宙へ携行されたオメガの腕時計かと問われると、実は認定前に宇宙へと携行されたモデルが存在する。それがスピードマスターのセカンドモデル「Ref.CK 2998」だ。1962年10月3日に開始されたマーキュリー計画のシグマ7ミッションにおいて、NASAの宇宙飛行士であるウォルター・“ウォーリー”・シラーが個人用の時計としてRef.CK 2998を着用した記録が残されている。

この、Ref.CK 2998を復刻したのが2024年10月に発表された「スピードマスター ファースト オメガ イン スペース」だ。Ref.CK 2998の復刻モデルは2012年にも発表され、惜しまれつつも生産終了となっていた背景があり、今般、待望の復活を遂げた形となる。そして、この復活に際して、コーアクシャル脱進機を有するマスター クロノメーター ムーブメントを搭載して大幅な性能向上が図られた点が注目点だ。

では、ディティールもひもとこう。オリジナルモデルに忠実なデザインが与えられており、アルファ型の時分針がトレードマークだ。12時位置に立体的なロゴを配したCVDによるグレーブルー文字盤には、焼け色を思わせるカラーのスーパールミノバが採用され、ヴィンテージテイストを生み出している。また、NASAからの認定を受ける前のモデルであるため、ダイアル上に“PROFESSIONAL”の文字が無いこともポイントとなっている。

オメガ スピードマスター ファースト イン スペース 復刻モデル
オリジナルのCK 2998を忠実に再現したブルーグレーのダイアル。アルファ型の時分針やヴィンテージタイプのロゴを採用する。スピードマスター ムーンウォッチは伝統を守りながら進化を続けるのに対して、こちらはオリジナルに忠実なヴィンテージテイストと、立ち位置は大きく異なる。
シンメトリーでシャープなラグを持つケースも本作の特徴で、直径39.7mmとコンパクトなサイズに収められている。なお、スピードマスター プロフェッショナル ムーンウォッチでは、リュウズとプッシャーのガードを備えたアシンメトリーなケースを採用しており、ケース径は42mmとなる。サイズ感の違いも本作を選択するうえでの、重要なポイントとなりそうだ。

「スピードマスター パイロット」Ref.332.10.41.51.01.002
オメガ スピードマスター パイロット
オメガ「スピードマスター パイロット」Ref.332.10.41.51.01.002
自動巻き(Cal.9900)。54石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約60時間。SSケース(直径40.85mm、厚さ14.7mm)。100m防水。146万3000円(税込み)。
オメガは、スピードマスターの存在により宇宙との関りが深い印象が強く、それは誤りではない。一方で、航空機パイロットを支えてきた歴史も持つ。第二次世界大戦時には、オメガはイギリス国防省に11万個以上の時計を納入したほか、1957年発表の初代スピードマスターがアメリカ空軍パイロット達からの支持を集めた。

このような歴史を反映したモデルが「スピードマスター パイロット」である。本作は、初代スピードマスターへのオマージュとして、ケースシェイプや“二眼”のクロノグラフを継承する。そして、本作独自の魅力を生み出しているのが、コックピット内に備わる計器のデザインをふんだんに盛り込んだ文字盤デザインだ。

オメガ スピードマスター パイロット

Photograph by Masanori Yoshie
梨地仕上げをベースに、航空機のコックピットに備わる計器から着想を得たディテールが大きな特徴だ。
時分針はコックピットウォッチなどで見られるシンプルなペンシル型に改められ、クロノグラフ秒針の先端は、長い先端を設けた飛行機型の装飾が設けられている。ここにオレンジを用いている点もパイロット向けモデルらしいディティールだ。3時位置には60分積算計と12時間積算計が同軸で配され、9時位置にはスモールセコンドが配される。さらに、スモールセコンドでは航空機の地面に対する傾きを表示する姿勢指示器からインスピレーションを得たデザインが施される。

文字盤のベースは梨地仕上げで、光が射し込む環境でも視認性を確保する仕立てとなっている。スピードマスターのロゴの下部には“FLIGHT QUALIFIED”と記されており、本作の特別感を演出するものとなるだろう。

搭載されるのは、METAS認証を得たコーアクシャル・マスター クロノメータームーブメントのCal.9900であり、その信頼性は現代基準で最高レベルと言える仕上がりである。

「シーマスター ダイバー300M クロノグラフ」Ref.210.30.44.51.01.001

オメガ「シーマスター ダイバー300M クロノグラフ」Ref. 210.30.44.51.01.001
自動巻き(Cal.9900)。54石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約60時間。SSケース(直径44mm、厚さ17.2mm)。300m防水。132万円(税込み)。
オメガの豊富なコレクションにおいて、スピードマスター以外にもクロノグラフモデルはラインナップされ、長きにわたって人気を集めてきた。そのひとつが「シーマスター」のクロノグラフモデルである。今回は「シーマスター ダイバー300M クロノグラフ」を取り上げよう。

シーマスターは、1948年に高い防水性能をはじめとした、さまざまな環境に耐えうるマルチパーパスウォッチとして誕生し、多くの派生モデルを生み出してきた。1960年代頃までのシーマスターの主軸であったインフォーマルウォッチとしての側面は「シーマスター アクアテラ」に受け継がれ、より防水性を高めたダイバーズウォッチは「シーマスター ダイバー300M」に受け継がれている。

スーパーコピー代引き 優良サイト本作は300mの防水性能と、飽和潜水に対応するヘリウムエスケープバルブを備えるプロフェッショナル仕様のダイバーズウォッチである。外観品質も、ケースの仕上げが良好であるのに加え、ポリッシュ仕上げのセラミックス製ベゼルインサートとプッシャーを採用しており、艶やかな質感が本作に魅力を加えている。文字盤には、コレクションのアイコンである波模様がレーザーエングレービングによって施されている。

搭載されるのは、METAS認証を得たコーアクシャル・マスター クロノメータームーブメントのCal.9900であり、3時位置には60分積算計と12時間積算計が同軸で配され、9時位置のスモールセコンドが配される。