ロレックス、関税対応で米国価格を引き上げへ!

今回の米国市場での値上げは、トランプ政権がスイス製品(時計を含む)の大半に課した10%の関税に対応するための措置である。ホワイトハウスは今月初めに31%の関税を発表していたが、これを受けて債券市場や株式市場が急落したため、グローバルな貿易相手国に対して発動を90日間猶予することを決定した。ただし10%の関税は依然として適用されており、スイスと米国の通商当局は現在、合意に向けた交渉を進めている。ジュネーブのロレックス広報担当者は、米国価格の引き上げに関するコメント要請に応じなかった。

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ロレックスの値上げは大きな意味を持つ。というのも、米国はロレックスにとって最大の市場だからだ。同社は年間100万本以上の時計を生産しており、米国におけるスイスブランドのなかでもトップの売り上げを誇る。なおほかのスイスブランドも同様に、関税負担に加えて、スイスフラン高と金価格の記録的な高騰によるコスト上昇に直面しており、追随する動きが予想されている。

スピードマスターやシーマスターで知られるオメガも、関係者によれば5月1日(木)から平均5%の値上げを予定しているという。オメガはヴォントベル(Vontobel)のアナリストによると、売上高でスイスブランド上位5社のひとつに数えられる。

なお、オメガの親会社であるスウォッチ グループAG(傘下にブランパン、グラスヒュッテ・オリジナルなどを持つ)は先週、関税対応と、米ドル安に対してスイスフラン高が進行した影響を受け、一部ブランドで8~10%の値上げを実施すると正式に発表している。